飯田市議会 > 2022-03-10 >
03月10日-03号

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  1. 飯田市議会 2022-03-10
    03月10日-03号


    取得元: 飯田市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-10
    令和 4年  3月 定例会(第1回)        令和4年飯田市議会第1回定例会会議録               (第3号)-----------------------------------       令和4年3月10日(木曜日)9時00分-----------------------------------日程 第1 会議成立宣言 第2 会議録署名議員指名 第3 一般質問   (1)西森六三   (2)関島百合   (3)宮脇邦彦   (4)熊谷泰人   (5)佐々木博子  (6)木下徳康   (7)新井信一郎散会-----------------------------------出席議員    23名       (別表のとおり)-----------------------------------欠席議員    なし       (別表のとおり)-----------------------------------事務局出席者       (別表のとおり)-----------------------------------説明のため出席した者       (別表のとおり)     9時00分 開議----------------------------------- △日程第1 会議成立宣言 ○議長(井坪隆君) おはようございます。 現在の出席議員は23名でございます。 よって、本日の会議は成立いたしております。 初めに、発言の訂正をいたします。 昨日の私のほうからの最後の挨拶で、残り8名の議員と申し上げましたが、7名でございます。訂正しておわび申し上げます。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第2 会議録署名議員指名 ○議長(井坪隆君) 会議録署名議員として、永井一英君、原和世君を指名いたします。 次に進みます。----------------------------------- △日程第3 一般質問 ○議長(井坪隆君) 昨日に引き続き一般質問を行います。 一般質問は、それぞれ通告の時間以内で行っていただきます。質問、答弁とも簡潔・明瞭に願い、会議の進行に御協力くださるようお願いをいたします。 なお、発言時間において、残り時間1分での質問は御配慮いただきますよう、議員の皆様にお願いいたします。 今定例会では、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策の観点から、飯田市議会災害対策会議において、一般質問における議場に入場できる議員数を制限し、分散により実施することを決定いたしております。 なお、執行機関側におきましても、議場への入場者数の削減に御協力を願うことで御理解をいただいております。 ここで、議場への入場者の調整のため、暫時休憩といたします。     9時02分 休憩-----------------------------------     9時03分 再開 ○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、通告順に発言を認めます。 西森六三君。 △西森六三 ◆4番(西森六三君) 改めまして、おはようございます。会派きぼう、西森六三です。 一般質問2日目のトップバッターです。今回、初めて一般質問の質問席に立ち、緊張で頭が真っ白になりかけております。市長をはじめ、関係各位の御協力をお願い申し上げます。 今回の質問の趣旨として、20地区の自治組織まちづくり委員会体制ができてから17年となり、「地域課題は地域で」の考え方には一定の理解ができるものの、三遠南信自動車道全線開通を見据えた遠山郷の振興策は、遠山のこと、リニア新駅を中心とした新たなまちづくり問題は、上郷、座光寺地区のこと、丘の上の再開発による地域振興策は、丘の上の旧市のことなど、狭い範囲での問題としか捉えられず、飯田市全体として意識づけられない現状があります。 そこで、長野県の南の玄関口で飯田市唯一の県境である遠山郷地区の振興策の現状は、市民全体の共通認識及び共通課題となればとの思いを込めて、通告に従い、第1の質問とさせていただきます。 それでは、遠山郷における地域振興において、(1)支援体制の強化について。 さきに示されました遠山郷観光振興室の新設について、ギアチェンジした佐藤市長の考えや思いについてお話しいただければと思います。よろしくお願いします。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) ただいま西森議員から御質問いただきました。 冒頭の議員のおっしゃった認識には、若干の異論がございます。遠山郷のことは遠山郷のだけのことと、あるいはリニア駅のことを上郷、座光寺だけのことと考えているのではないかということについては、そうではないと申し上げておきたいと思います。 その上で、今回の遠山郷について室を新設したこの考えということですけれども、喫緊の課題であります道の駅の再整備、あるいは南アルプスのエコ登山、しらびそ高原を起点とした山岳観光振興、こういった各種の課題について地元でも大変機運が高まっている、熱量が高まっているというふうに思っております。そのことをしっかりと市としても受け止めて、地元の皆さんと共に市全体、地域全体の課題として遠山郷振興を進めていく、そのような思いで室を新設するものでございます。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) ありがとうございます。 私のさきの文章ですけれども、言葉足らずだったかなという感じがあります。 行政、また議会側がそういう意識ということではなくて、市民全体の中に全体の意識としての捉えがやっぱり少し甘いんじゃないか、地域に限定された問題だというふうに考えているんじゃないかという、そういう意味での言葉でした。よろしくお願いいたします。 今回の機構改変では、産業経済部の中の遠山観光振興係が1段階格上げとなり、遠山観光振興室となったわけですが、他の部課を横断できるような体制強化となっているのでしょうか。これにつきましては、所管である産業経済部のほうからお答え願えればと思います。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 遠山郷観光振興室の他部署との連携ということでございますけれど、この室は仕事を進める上で庁内の関係部署との連携、これはもう当然必須のことでございます。 例えば、エコパーク・ジオパークの関係でいえば、環境課とか美術博物館、それから交通アクセスの関係では建設部はじめ道路・河川の管理機関、それから南アルプス登山や森林管理、山岳遭難、こういったものもそれぞれ担当の部局、関係団体がございます。そういったところときちっと連携していくことは必要でございますので、一層の連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) 今、室についてお話をいただきました。 室というものですけれども、これはある期間を決め、特命にて成果を出すために設置するものと私は思っております。 室として、アクションプラン・戦略計画の内容は、これから早急につくられ、示されるものと思いますけれども、当面一定の成果、結果を出す期間としてどの辺りを目途として期間設定をしているのでしょうか。何かその辺の目途がありましたらお教えください。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 今、明快な期間というような御質問でございましたが、正直申しまして今そこまでの、例えば3か年、5か年という計画をもってこの室を動かそうとしているというわけではございません。 しかしながら、まずは大きなポイントとしては、将来、三遠南信道青崩トンネルの開通を見据えていくということがひとつの重要な要素であると思っております。そうしますと、ただ、トンネルの開通時期というのはもう少し先になりますので、その分、それまでかかってやればいいんだということではございませんので、やはり今、いろいろございますコロナによって観光を中心に非常に影響を受けていること、それから温泉ポンプの落下事故によるかぐらの湯の休止になっていること、それからそのほかにも遠山郷といいますと上村の大空企画の問題、こういったことにまず見通しを立てる、この見通しが立ってくれば、今この体制もまた新しい次のステップへ向かっていけるんじゃないか、こういうふうに考えております。
    ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) 少し内容まで触れていただきまして、ありがとうございました。 では、ここからは施設について、拠点となり得る道の駅かぐらの湯の現状について、質問をさせていただきます。 道の駅再生に向けた調査やコンサルタントをしている会社にお願いしたと聞いていますが、調査の結果は出たのでしょうか。また、出ているとすれば、この施設の存続価値及び有用性の評価について主立ったものを報告願えればと思いますが、よろしくお願いいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 道の駅遠山郷の調査のことですけど、運営改善計画というものを全国道の駅支援機構というところに委託をしました。補正でお認めいただいて、10月から取り組んだというものでございます。 その内容につきましてちょっとポイントを申しますと、道の駅遠山郷の経営上の損益分岐売上げは約1.2億から1.4億円であること、一方で道の駅遠山郷の持つポテンシャルは、現状の商圏人口や観光特性の延長では1.3億円が最大値となるということ。それから、道の駅を取り囲む課題を乗り越え、収益を上げるための施策としては次の3つが考えられるということで、まず1つ目、道の駅遠山郷を目的地化することができるかどうか。温泉を復活させるということも、目的地化するための取組の一つであるということ。 それから、2点目、滞在時間を増やし、客単価を上げる取組が必要だということ。要するに、温泉だけでは及ばないということです。地元の特産品ジンギスカンを食べてみたりとか、遠山川を活用した自然体験ができるとか、何かプラスアルファのものが必要だということ。 そして、3つ目、動線の改善ということで、動線の改善というのは建物のことですけど、靴を脱いで上がる仕様に全てなっているけれども、例えば売店とか食堂とか、そういったところは靴を脱がなくても入れるような、そういう形が必要ではないかと。大きくは、この3つのことを指摘されております。 これらの取組は、三遠南信自動車道開通のタイミングが最適じゃないかというようなこともいただいておりますが、三遠南信自動車道の開通、青崩トンネルの開通といいますとちょっと期間がございますので、この最後の点につきましては、地元側も今いろいろと検討や準備を進めていただいていますので、そうした計画が早くできるのであれば市とすると前倒しをしていきたいというふうには考えております。 それから、今、評価とか有用性ということも質問にございましたので、併せて申し上げます。 先ほどの調査の結果でも申し上げましたけれども、道の駅遠山郷の周辺のマーケットの人口を見ますと、足元商圏というのは極めて小規模であるということになりますので、この商圏を60分圏域、遠方観光商圏と広く捉えていく必要がある。要するに、静岡側から来るお客さん、それだけではなくて、飯田のほうから行くお客さんも遠山郷道の駅かぐらの湯を目的地としてわざわざ行くような、そういった取組をしていく必要があるという提言がされています。そういうことが大事だと。 さらに、有用性という点では、滞在時間を確保するために自然体験メニュー、こういったものをいろいろ組み立てて用意したり、それを地域の団体の皆さんとうまく組み上げて作り込んでいくというようなことが大事だと。言ってみれば、遠山郷のかぐらの湯とか道の駅ということではなくて、飯田のほうからもそこに行って楽しむ、飯田のほうもかも行く、飯田市のうちですけど、こちらからも行って楽しめる、そういう場所にしていく必要があるということじゃないかと、そこに価値があるんだというふうに言われていると思います。 今回の調査報告の内容では、直接はないですけれども、市という立場でも三遠南信自動車道の開通を見据えたときには、信州の玄関口としての有用性、こういったところに期待が高まっているというふうに言えると思います。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) 今の報告の中にもありましたけれども、1点だけ、温泉の必要についての報告内容はどのようなものだったでしょうか。改めてお答え願えればと思います。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 温泉の必要性というところを改めて詳しく申し上げますと、先ほどの繰り返しになりますけど、この道の駅遠山郷にわざわざ行きたいと思わせる、旅の目的地化とするための取組をどう考えていくかが重要だと。そのときに、温泉施設の復活はお客さんにとって、そこが目的地化するための大きな要素だと。だから、温泉の必要性はあるということでございました。 しかし、この温泉のみでは施設に見合った集客が期待できない。要は、見合う収益が得られないということも合わせて指摘をされています。つまり、温泉プラス何々や何々があるから行こうとならないと事業として、施設の経営として収支が合わないということを指摘されているということです。 ですので、繰り返しになりますが、静岡側からのお客さんだけではなくて、飯田の市街地とか市街地周辺方面からも繰り返し楽しみにして訪れていただけるような温泉以外の魅力、吸引力をどうやって持たせていくかということが大事なんだなというふうに理解をしております。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) 今、温泉のことについて聞きました。 現在、メンテナンス工事中の作業事故によって源泉が止まっています。また、井戸水の沸かし湯にて営業していた入浴施設も休止状況にあります。作業事故に対する現況をお知らせください。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 源泉ポンプの落下事故につきましては、請負業者と協議の上、第三者による裁定手続として長野県建設工事紛争審査会の仲裁手続を行っているところでございます。 現在までに、6回の審理を行ってまいりまして、審査会の仲裁については結審までの審理会数は決まっていないんですけれど、早期の解決を望んでいるところでございます。引き続き、当方の主張の正当性を訴えるとともに、併せて温泉施設の今後の在り方についても検討を進めてまいります。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) 一生懸命、市のほうの考えを訴えていただきたいというふうに思っております。 そこで、今もありましたけれども、温泉の復旧に対する市の考え方、今の現状で結構ですので、どんな考え方をお持ちなのか、お教え願えればと思います。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 市としての考え方ということでありましたけれども、私としては、ぜひ温泉を復活させたいというふうに思いを持っているわけですけれども、道の駅として経営に温泉が重荷になってしまうということでも困るということでありまして、地元で今、経営体を形成することを検討していただいています。そこでの健全な経営、運営ができるということを基本にレストランや物販のことも含めて、あるいは今申し上げました温泉プラスの魅力づくり、そういったことを含めて、温泉との相乗効果が現れて、メリットが発揮できる、そんな計画を立てていくことが大事だというふうに思っております。ぜひ地元の皆さんと一緒にしっかり計画をつくって、温泉復活に踏み出していけるようにいきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) 今、市長の答弁の中にありました、市政懇談会、市長と語る会にて、温泉に頼らなくても運営できるような観点で、再開に向け一緒に検討していきましょうという経済産業部長のお言葉もいただきました。 そんな中、まちづくりでプロジェクトチーム在り方検討委員会等をつくり、地元主導で運営再開に向けて検討をしております。しかしながら、施設改修や温泉復旧については、市のいろいろな判断や決断が求められるところではありますので、前向きな検討となるよう期待を申し上げておきます。 では、少し方向性を変えて質問をします。 三遠南信協定にて、遠州及び東三河と南信州地域は防災面においても連携が求められるようになります。その起点となる道の駅の防災機能は、どのようなものを備えていなければならないのか。また、道の駅かぐらの湯における整備計画はどのようになっているのか、現状をお知らせください。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 道の駅につきましては、主要な道路網のハブ的な影響を担う施設があるということも国土交通省から示されております。 こういったことから、防災面で期待される役割といたしまして、大規模災害地の広域的な復旧・復興拠点を担うことが望ましいというふうにされております。また、道の駅は地域の一時的な防災拠点機能を担うということも期待されておるということでございます。 飯田市では、地域防災計画の中で、かぐらの湯の建物部分を応急避難施設、また駐車場を避難地として既に指定しているところであります。防災機能、防災設備機能が求められるそういったものとしましては、非常用発電機、または自然エネルギーや蓄電池システムを活用した無停電化の仕組み、それから飲料水や貯水タンクの設置、マンホールトイレの設置、それから防災資機材を備蓄しておくための倉庫、こういったものがあります。また、トイレですとか情報提供施設の耐震化なんかも必要になってくると思われます。 また、情報発信の拠点として、リアルタイムに交通規制情報ですとか気象情報、被害情報など、そういったものをモニター等で24時間提供できるシステムの体制を備えておくことが望ましいということにされております。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) ありがとうございます。 今のようなこと、これからの道の駅かぐらの湯の再生事業に合わせて整備計画を進めていっていただければというように思っておりますので、要望をしておきます。 次に、ユネスコエコパーク・ジオパークについてですが、議会総務委員会の検討テーマとしてエコ・ジオに関する先進視察もしております。令和3年度、エコフィールドとして妙高市、ジオフィールドとして糸魚川市では、専任の職員配置にて牽引力を発揮している姿を目の当たりにしてきました。飯田市における担当職員の配置の現状についてお教えください。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) エコパーク・ジオパークに対する専任の職員の配置状況ということでございます。 現在、エコパーク及びジオパークにつきましては、環境課が当市の事務局という形で業務を行っております。職員体制ですけれども、課長、係長及び担当者は、ほかの業務と兼務という形で担当をしております。 ジオパークにつきましては、3市村及び関係諸団体で取り組んでおりまして、伊那市が事務局を担っているということから、伊那市には専属の職員が配置をされておりますが、飯田市には専任の職員は配置されていないという現状でございます。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) ありがとうございます。 ジオパークについては、再認定調査中にて4市町村から3市村の枠組みにて再認定を受けるという方向でいくことが決定されたと聞いておりますが、その事務局は伊那市となっているわけですが、合同である場合、それぞれの市村がそれぞれ地域に合った推進活動をし、それを持ち寄り、共有しながら切磋琢磨していくことが望ましい姿だと私は思っております。であれば、飯田市の拠点はどのようにお考えでしょうか。お尋ねします。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 飯田市における拠点ということでございます。 現状を先にお示しをいたしますと、エコパーク及びジオパークの当市の拠点につきましては、現在、美術博物館、しらびそ高原「天の川」などでの展示ですとか、遠山郷道の駅にあります「アンバマイ館」でのパンフレットの配布や案内、こういったようなところにとどまっておりまして、当市における総合的な拠点と呼べる施設はないのが現状でございます。 今回、ジオパークの再認定という部分に向けたアクションプランの中に、拠点施設の充実と効果的な運用という部分の記載もございます。そういったようなことから、今後飯田市の区域における拠点の充実と効果的な運用については、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) ありがとうございます。 同僚議員、ほかの議員からも事あるたびに専任をつけて牽引力をアップしたらどうだというような意見が出ております。私も絶えずそのように思っておりますので、できれば専任をつけ、エコパーク・ジオパークの推進の牽引力をアップしていただけるよう、御配慮願えればというふうに要望をしておきます。 ここまで脈絡のあるような、ないような話をしてきましたが、話の本質は遠山郷にはいろいろな問題が多岐にわたりあるということです。これから、三遠南信が開通して南の玄関口となるわけですけれども、それにより人流が望まれる、その時期を目途として各部課が連携し、活躍していただきまして、また今回、室が新設されたということで、そこが中心の核となって地域の方々の牽引力をまた一段と上げていただけるというような活躍を期待しまして、この件につきましては質問を終わりにしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症についてお尋ねをいたします。 児童5歳から11歳のワクチン接種について、今月初旬よりユーチューブ等によって市民への発信をするとともに、対象児童への御案内が送付開始となっているようですが、児童は医療機関では小児科の担当となるなど、ちょっと特異的なところでもあります。まずは、市の接種開始時期と接種機関体制についてお教えください。 ○議長(井坪隆君) 高山健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高山毅君) 小児用ワクチンのスケジュールについてお話し申し上げます。 小児用ワクチンの接種は3段階で進めてまいります。 1つ、最初に重症化リスクの高い基礎疾患を持つ小児につきまして、今週初めから接種を開始しております。接種体制としましては、かかりつけ医、またはその紹介により市立病院の小児科、こちらで御家庭と相談しながら既に優先接種が実施されているということでございます。 それから、2段階目としまして、家庭の事情や御意向によりまして早期の接種を希望する御家庭について、既にこの早期接種申込みを受付中でございます。これらの皆さん方の受付が終わりまして、19日から市内の5つの小児科医療機関等で早期接種を開始する運びとなっております。 最後に、一般の小児の皆さんですけれども、早期接種の希望の状況を見ながら、後日、11歳から順々に、年の大きい順に接種券を送付しまして、御家庭でよく検討していただいた上で接種の予約を受け付けていくということでございます。 現在は5つの小児医療機関での接種体制ということでありますけれども、この後、4月以降には成人の3回目接種も落ち着いてまいります。状況によって、小児の接種が可能な他の医療機関へ会場を広げることも視野に入れてございます。以上です。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) 丁寧なお答えありがとうございます。 中でも、家庭でよく考えてくださいという、そのような内容のものが発信されているというふうに理解をしております。とはいえ、子供ですので、決断の一番の責任者は家庭、保護者ということになるわけですけれども、保護者への理解についてはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 高山健康福祉部長君。 ◎健康福祉部長(高山毅君) 市のほうでは、現在接種券を発送する前に厚生労働省のリーフレットを送付しまして、接種を受けるかどうか御家族皆さんでよく話し合って決めてください、考えてくださいという機会を設けてございます。あわせて、市のホームページで厚生労働省の5歳から11歳の子供への小児接種についてのお知らせのページですとか、新型コロナワクチンのQ&Aのサイトなど、こういったものへリンクを貼って、参考資料をふんだんに提供したいというふうに設定してございます。 これらを参考にしていただいたり、あるいはかかりつけ医の先生に御相談していただいたりしまして、親子で納得して選択をしていただくと、こういう期間をしっかり用意することが大事だと考えております。判断に迷うような方もおられると思いますので、慌てずとも接種券が届いてから考えていただいてもいいと、こういうふうに思っております。そんな機会を用意してございます。以上です。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) ありがとうございます。 本当にこれ家族で決定するということ、決断にすごく迷いが生じるものだというふうに思っております。本当ですと、ここで迷ったときにどうしたらいいかという質問もしようかと思ったんですけれども、時間の都合もあります。また後ほど、そのことについて一言触れさせていただければというふうに思っております。 次に、ワクチン接種後遺症と罹患後遺症についてお聞きいたします。 これらの後遺症症状は、不定愁訴的に多岐にわたり、個々により様々な症状の訴えがあるというふうに言われております。では、後遺症に対する当圏域の医療体制等どうなっておりますか、お教えください。 ○議長(井坪隆君) 高山健康福祉部長君。 ◎健康福祉部長(高山毅君) 罹患後の後遺症については、かかりつけ医ですとか、あるいは治療に当たった医療機関へ御相談いただくということになりますし、ワクチン接種後の体調不良についても、やはりかかりつけ医や接種した医療機関へ御相談していただくということになります。 かかりつけ医を持たない方とか、あるいは土・日、祝日などでどうしても相談したいんだけれども、相談先に困ってしまったと、こんなことがあった場合は、県で相談窓口を設けております。後遺症については飯田の保健所、それからワクチン接種後の体調不良については長野県のワクチン接種相談センター、こういったところで24時間対応しているので御利用いただきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) ありがとうございます。 今ありましたけれども、それら県、国のほうの施策の中にも載っております。これらの後遺症については、医師が後遺症と認定すれば、後遺症に対する治療費等の救済も受けられるというふうに理解をしております。これらはなかなか、じゃあ、どこへ相談したらいいのか分からない方々、結構いると思います。 昨日も古川議員の質問の中にもありました、市民に寄り添った対応をということを大きな声で訴えておられました。たとえ、解決策というふうにならなくても、情報提供にて不安を解消してあげるとか、そのような相談、対応をしていただける姿勢。そのように対応していただければというふうに期待をし、またお願いをしておきます。よろしくお願いいたします。 次に、市有施設について質問をさせていただきます。 市有施設の中で市が直営しているものや、指定管理となっている施設については使用実績が公表されているわけですが、未使用となっている施設の状況については、なかなか私たちも目にすることができません。公共施設マネジメントの中で、未使用となっている施設の在り方など、どのようになっているでしょうか、お教えください。 ○議長(井坪隆君) 櫻井総務部長。 ◎総務部長(櫻井毅君) 現在、公共施設マネジメントの取組として令和2年度から5年間を第2段階と位置づけまして、市が所有する施設について主要な建物、それから予防保全型施設、これはまだまだ建築年度が低いものが多いですけど、それから事後保全型施設としてかなり建築年度が高いもの、そういった3つの分類をいたしまして取組を進めているところでございまして、特に、事後保全型施設については、老朽等で現在未使用となっている市有施設も含めまして、第2段階が終わる令和6年度末までに廃止や払下げも含めて施設の今後の方向性を整理することとしておりまして、予防保全型施設の中にも現在使っていないものもありますんで、この考えに基づいて同様に方向性を整理していくという考え方でございます。 方向性整理に際しましては、当然、その地域や関係する方々の御意見等もお聞きしながら進めることを基本としておりまして、意見交換と協議を進めながら、行いながら具体的な検討を進めてまいるということでございます。 ○議長(井坪隆君) 西森六三君。 ◆4番(西森六三君) 今の中で最後の答弁のところであります市有施設の最終的な判断として、所在地域と地域協議会に諮問して地域の判断を参考としてというような、そういう手順が飯田市では取られておるというふうに理解をしております。 ここなんですけれども、なかなか地域に投げかけますと造られた当時の思い等があったり、借地にて収入が発生していたりだとか、地域で処分をすることにはなかなかためらいが生じて決断ができない事例も多々あるというふうに聞いております。市としての方向性を提示して、投げかけていかないとなかなか処分、整理というのがつかないというふうに思われます。 一般の家庭でも、終活等にて物品等の整理については一定のルールを決めて処分するのが普通です。また、今の世の中、処分するにもお金がかかる時代です。例えば、2年間使用実績及び使用予定のないものは、今後使う見通しがなしとしてそういう判断箱に入れるとか、またその判断箱の中身には廃棄処分するもの、地域や民間に払い下げるもの、未使用とはいえ今後確実に利用が見込まれるもの等の仕切りを作って、そこへまた分類すると。 今、お答えがありました、第2段階の分類は終わって整理ができているのということですので、この先、第3段階の分類として、そのような分類、整理をしていただいて、地域にこの施設、今こういうところの箱に入っているよ、こういうところに入っているんだけどどうしようかというような、具体的なそういうものを示していっていただけると、地域の方々も判断できるのかなと、また判断しやすいのかなというふうに思っております。 また、今後大きな施設投資が計画されている中においては、市有施設の処分に係る費用等も計画的に予算化していく必要性が生まれてくるというふうに思われます。今後の検討課題としていただけますよう要望しておきますので、よろしくお願いしたいというふうに思っております。 少し時間が余りました。初めての一般質問でなかなか時間調整がうまくいかずで、どうにかここまで来ました。 先ほどに戻りますけれども、子供のワクチン接種等ですけれども、きっとこの後は時節を追いながらどれぐらいの方がどのような状態で接種をしたのかとか、そういう数字の問合せも今後出てくるのかなというふうに思っております。また、その辺のことも御報告願えればというふうに思っております。 遠山郷につきましては、これから新たなステージに上がるということですので、地域も一体となり、また私たち議員も一体となってこの飯田市全体の発展、またほかの飯田市にある施設との周遊化、これらも必要となってくるというふうに思っております。ただ、遠山郷も高齢化となってきておりまして、地元で関わってくれている人たちも、あと5年ぐらいがもう限界だよと、それぐらい前が見据えられないと、俺たちはもう関われんでなあというような意見も出てきております。 市長さん、仲のいいエコ登山の先進者も70という歳になっているということで、あと5年ぐらいは俺も頑張れるかなあというような、そんな話もされております。ここから先5年をみんなで力を入れて前へ進めればというふうに思っております。 最後になりましたが、今日初めての一般質問のこの席に立たせていただきました。また、御配慮いただきました。議長をはじめ、議員の各位に感謝を申し上げて、私の一般質問を終わりとしたいと思います。どうもありがとうございました。 ○議長(井坪隆君) 以上で、西森六三君の一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     9時40分 休憩-----------------------------------     9時45分 再開 ○議長(井坪隆君) それでは、休憩を閉じ、会議を再開いたします。 次の一般質問を行います。 関島百合さん。 △関島百合 ◆6番(関島百合君) おはようございます。無会派の関島百合です。 今回は、飯田の文化に関連した一般質問を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 昨日、小林議員を通して(仮称)飯田駅前プラザは、飯田市公民館の単純な機能移転ではないといった内容で質疑が行われました。これに関連し、ここでは廃止される飯田市公民館ホールに関した質問をさせていただきます。 今回の飯田市公民館のホール廃止に際し、1億円とも聞く常設の音響反射板と質のいいコンサート用のピアノ、500人規模の使いやすい中ホールがそろった飯田市公民館のホールがなくなることに不安を抱いた市民の皆さんがいました。例えば、AKB48やジャニーズWESTといったアイドルのコンサートでは、電気を使った音響設備が使われますので、これらが彼女たちの歌や彼らのコンサートの音響を助けています。一方、こうした電気による音響設備を使わないアコースティックなコンサートでは、ステージ後方にある音響反射板が合唱やピアノ、弦楽器といった生の音をそのままホールの隅々まで届ける働きをします。音響反射板と中ホールは、後者の音楽に取り組む皆さんにとって必要不可欠で、飯田市公民館のホールはこうした皆さんに最適な環境を提供してきました。 そこで、飯田市公民館のホールを利用してきた皆さんへのホール廃止後の影響をどのように捉えているのかお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 教育文化センター(飯田市公民館)ホールが廃止になることによる影響をどう捉えておるのかという御質問でございますけれども、飯田市公共施設マネジメント方針に基づきまして、文化会館、飯田市公民館の教育文化センターのホール、鼎文化センター、この3つのホールを集約する方向で取組を進めてきております。 今回、教育文化センター(飯田市公民館)ホールを廃止するに当たりましては、新型コロナウイルス感染症の影響がなかった平成30年度と令和元年度の2か年の土・日、また祝祭日の全ての利用団体の利用内容、利用人数を確認して、突き合わせをしてきております。 その結果、文化会館、鼎文化センター、また人形劇場などの施設を御利用いただくことで、教育文化センター(飯田市公民館)ホールを廃止しても影響を最小限にすることが可能であると判断をして取組を進めてきておるところでございます。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 分かりました。 次に、飯田市公民館のホール廃止に係る説明について伺います。 先ほども触れましたが、飯田市公民館のホールが廃止されることを知り、この先の音楽活動に不安を抱く方が複数いました。一口に音楽といっても、音響反射板が必要なジャンルと、必要でないジャンルがあります。今回はピアノや歌といった音響反射板を必要とする方たちへの説明が十分でなかった印象があります。利用団体との協議という観点も含め、見解をお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 利用団体の皆さんへの説明ということでありますけれども、飯田市公民館の利用者の皆さんには、これまで3回にわたりまして利用者団体説明会を開催してきております。また、説明会に出席をされなかった方もおいでになるわけですけれども、こういった皆さんには、利用申込みの際に個別に説明をさせてきていただいております。さらに、ホールの活動を除いた活動が低下することがないように、設備の要望をお聞きしながら、可能な限り飯田駅前プラザ、その他の施設の設計・整備に反映するように対応してきております。 こういった説明は重ねてきておりますけれども、まだまだ十分行き渡ったかというと、これはそうではない部分もございますので、これからはさらに説明をしっかりとしてまいりたいというふうに思っております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) こうした中で浮上したのが音響反射板の問題です。 鼎文化センターに移動式の音響反射板があることを知っていた方と、知らなかった方とで異なる2つの動きがありました。知っていた方は、音響をよりよくするために鼎文化センターに常設の音響反射板が必要だと声を上げました。知らなかった方は、移動式の音響反射板を鼎文化センターに購入してほしいと飯田市に働きかける準備をしていました。 このように、異なる市民の動きが起きてしまった点について、市の見解を伺います。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 鼎文化センターの音響反射板についてでございますけれども、この音響反射板につきましては、利用者の皆さんからの要望があって、後づけで整備をされたものでございます。 鼎文化センターの音響反射板の存在は知っていたけれども、可動式ではなく固定式である飯田市公民館のホールを優先的に御利用いただいた団体もございますけれども、この存在を知らなかった利用団体もございますので、周知が十分ではなかった点についてはおわびを申し上げたいと思います。 今後はこの設備を有効活用していただきますように、いま一度周知・案内をしっかりとしてまいりたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 今後、鼎文化センターでもクラシックができる、そういったホールになっていくことを期待いたします。 情報の受け取り方も多様化しているため、情報を発信する側は、これまでなかった苦労もあるかと思います。情報を広く伝えることは大前提ですが、今回のように深く伝えるべき人に伝わっていなかったのはどうしてかといった点を、今後のためにもきちんと押さえておく必要があると思います。 5月のオープン後も、これからも情報発信はできますので、一人でも多くの市民の皆さんに飯田市公民館のホール廃止を含めた(仮称)飯田駅前プラザの情報が届くようお願いいたします。 次に伺います。 飯田市公民館のホール廃止に伴い、利用してきた皆さんを受け入れる代替施設の体制に問題は生じないでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 飯田市公民館のホールにつきましては、昨年11月から予約を停止させていただいておりますけれども、11月から今まで、鼎文化センターや文化会館で予約が重複をして利用できないといった苦情や御意見は、特にいただいておらないということでありますので、今のところは教育文化センター(飯田市公民館)のホールを廃したことによる影響は少なくとどまっているんでしょうけれども、これからそういうような状況がお声として上がってきたときには、しっかりと対応してまいりたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 分かりました。 その上での要望となります。 飯田市公民館のホール廃止と(仮称)飯田駅前プラザの多目的ホールの開始を機に、ホールの収容人数やピアノがあるかないか、音響はどうかといった飯田市のホールに関する総合的な情報提供が必要だと感じました。1枚の紙にまとめ、利用団体の代表者への周知があれば親切だと思いますので、検討をお願いいたします。 次に、新しい飯田文化会館のホールをどのように整備していくのかを伺います。 昨日、小平議員からも質問がありましたが、ここでは計画を練る過程について伺います。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 新文化会館の建設に向けた検討の過程ということで御質問いただきましたけれども、令和4年度より市民検討会議を立ち上げまして、市民の皆さんや舞台芸術活動をされている皆さん、こういった皆さんの御意見を聞きながら、どういう目的と機能を重視して、どのような規模や設備を備えた施設にするかを盛り込んだ整備基本構想、基本計画を策定してまいりたいと思います。 具体的な施設内容、規模につきましては、この中で検討してまいりたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) あと、アンケートを取るとか、そういった市民の声を拾い上げるということも必要だと思いますのでお願いいたします。 あと、市民検討会議というのは、公募は行うのでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 市民検討会議の構成ですけれども、これはまだ検討中でございますけれども、舞台芸術関係の団体、また主たる事業でありますオーケストラと友に音楽祭、またいいだ人形劇フェスタの実行委員会の関係の皆さん、また現在、文化会館の御利用をいただいておる団体の皆さん、教育関係者、また有識者としてはホール施設関係や都市デザイン関係の専門家の方々等を含めて20名程度をお願いしたいというふうに考えております。 また、公募委員につきましても、新年度早々に募集をかけてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 公募はぜひお願いしたいと思います。 音楽分野に関しましては、ピアノと歌、弦楽器、管楽器といったそれぞれの意見がバランスよく行き渡るように配慮をお願いいたします。 飯田市公民館のホール廃止に伴い、新飯田文化会館への期待は高まっています。飯田市公民館の中ホールが担ってきた役割も補完できる新飯田文化会館となるよう、計画を進めてください。 次に、ホールを含む飯田市公民館の取壊しの予定と跡地利用について伺います。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 現在の飯田市公民館につきましては、4月30日をもって閉館をいたします。 耐震強度が足りないことや外壁状態が悪いことから、令和4年度に取壊しのための設計業務を行い、取壊し方法や費用を算定したいと考えており、当初予算案に計上し、お諮りをしておるところでございます。この算定結果に基づきまして、令和5年度以降、早い時期に取壊しを行ってまいりたいというふうに考えておりますけれども、跡地の利活用については、今後検討していくこととなります。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 一帯は飯田市のシンボルでもある桜並木に面しているほか、長い歳月を経て様々な文化が醸成され、蓄積されてきた場所です。文化の集積地として位置づけられていく中心市街地にとって、意義ある場所になることを期待いたします。 次の質問に移ります。 先ほども備品について触れましたが、ここではピアノを取り上げます。 現在、備品としてのピアノは飯田文化会館に5台、鼎文化センターに2台、各地区の公民館に計21台あり、合計で28台のピアノが飯田市の備品となっています。中でも飯田文化会館には、1,800万円とも言われるグランドピアノのスタインウェイ、飯田市公民館には1,200万円とも言われるヤマハのグランドピアノなどがあります。しかし、これらのピアノはステージの袖などに置かれたままになっています。ピアノは弾けば弾くほど音がよくなります。使わなければ機能は落ちてしまいます。 そこで、コンサート用のグランドピアノと各地区の公民館にあるピアノを貸し出し、弾いて生かす取組を飯田市の新事業に加えるのはいかがでしょうか。予約が可能な期間と料金設定を設け、こうした事業に取り組む自治体もあります。各地区の公民館にあるピアノは、ピアノがない家庭のお子さんにも喜ばれると思います。また、(仮称)飯田駅前プラザに置くピアノはストリートピアノとして活用されれば、にぎわいの創出に一役買うと思います。市の見解はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) ピアノについて御質問いただきましたけれども、現在の教育文化センター(飯田市公民館)ホールにございますフルコンサートピアノにつきましては鼎文化センターホールに移動して、鼎文化センターホールのグランドピアノを(仮称)駅前プラザの多目的ホールに移動するということで有効活用をしてまいりたいというふうに考えています。 各施設に配置しているピアノでございますけれども、当然年1回調律をして、よい状態を保つように努めておりますけれども、この配置をしているピアノにつきましては、現状でも申込みをいただければ誰でも御利用いただけることができますので、議員の御提案の活動にも利用は可能でございますので、積極的に利用いただくよう、こちらとしても周知をしてまいりますけれども、関係者の方にお伝えいただければというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 分かりました。 私も知人に伝えますので、市のほうでも積極的な周知をお願いいたします。 あと、(仮称)飯田駅前プラザにストリートピアノが実現すれば、この施設のアピール度も高まっていくと思いますので、ちょっとピアノの関係もあるかと思いますが、前向きな検討をお願いできればと思います。 飯田市は、世界のプロが日本のプロを教えるクラシック音楽の祭典アフィニス夏の音楽祭を2008年まで20年間続けた蓄積と土壌があります。また、飯田信用金庫の支援を受けながら、一流の室内楽に触れることができる「萩元晴彦ホームタウンコンサートin飯田」も、1996年から続き、次回は記念すべき20回目を迎えます。これらの音楽イベントに深く関わった方たちの中には他界された方もいらっしゃいますが、こうした皆さんは、飯田の文化としての音楽の発展に尽力してくださっています。その延長にあるのが5月に開催を予定している「オーケストラと友に音楽祭」ではないでしょうか。 公共施設マネジメントの方針や予算の関係からやむを得ないとはいえ、今回の飯田市公民館のホール廃止を通して、先人たちが築いてくれた飯田の音楽文化の歴史を揺るがすような危機感を私は覚えました。この点について一言いただけますでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 重要な御指摘をいただいたというふうに受け止めましたけれども、先ほど申し上げましたとおり、客席型のホールは多様な音楽活動、様々な舞台芸術活動の練習や発表の場として御活用いただいていますけれども、それ以外には各種の講演会、研修会、集会等の会場利用をしていただいておるということで、多目的な利用がされています。先ほどお答えをしましたとおり、公民館ホールが廃止になっても他のホール施設へ有効活用、また集会等は他の施設への利用も可能でありますので、利用には影響はないということを確認した上での取組でございます。 御指摘をいただいたように、先人の方々が積み重ねてきた、現在につながる飯田の文化活動、音楽活動といったものがこれからも継承されて発展をしていくこと、これは施設環境のみならず振興支援していくということは、全くに変わることはございませんので、こういった点はぜひ御理解をいただきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 今の最後の答弁を受けまして、安心した市民の方たちがいらっしゃることと思います。 飯田市公民館のホール廃止が、飯田の音楽文化を見詰め直すきっかけになることを期待して、この質問は終わりにさせていただきます。 次に移ります。 テーマを変えて、地域の観光文化と地場産業の継承について伺います。 初めに、伝統的な地場産業の水引について、現状をどのように捉えているのかお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 水引産業の現状ということでございますが、水引産業の製造出荷額でございますけど、平成2年がピークだったということでございまして、そのときは90億円、それが現在では30億円ということでございます。それから、組合員数でございますけれども、これは昭和57年、旧の地場産業センターができる前くらいですけれども、このときに33社、現在は19社、それから職人さんの数ですけれども、かつては数千人いたと言われていますけれど、現在では五百人程度ではないかということです。それから、生水引ですけれど、これは現在、生水引を手作業でつくるような職人さんは、もう既にいません。ですけれども機械製造で行えていると、こういう状況でございます。 製造品出荷額等は30億円ということですけれども、これは見方を変えれば500人もの職人さんがいる30億円規模の産業であると、こういうふうにも言えると思います。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) この先の飯田水引の現状というのが、少し心配になりました。現状は厳しいと思います。このため、従来とは異なる発想と展開が飯田の水引には求められていると感じました。 そうした中で、女性向けの水引に新たな可能性があるように私は感じています。一方、飯田の水引の伝統的な部分に関しましては、公的な施設が文化の集積地として位置づけられていく中心市街地に必要ではないかと思っています。詳細につきましては、次回の定例会の一般質問で再度取り上げますのでよろしくお願いいたします。 次に、天竜舟下りについて質問いたします。 運営する信南交通が、3月末での撤退を表明していることは周知のとおりですが、飯田市のPRと観光に長年貢献してきた天竜舟下りへの見解を伺います。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この天竜舟下りには伝統がございまして、これまで飯田市の観光を長く牽引してきたリーダー的存在であると思っております。 ただし、利用人数ですけれど、今から10年ほど前には年間13万6,000人余りを数えておりましたが、その後、減少傾向が続き、コロナ前の令和元年度は5万6,000人ぐらい、大体半分ぐらいまで減少し、さらにコロナ禍になりまして令和3年には1万6,000人余ということで、10分の1くらいになってしまったという状況でございます。コロナだけではなくて、最近では異常気象によりまして、書き入れどきに大雨による増水があったりというようなことで、なかなか運航ができなかったというようなことも、お客さんの減少の要因になっていると、こういうことも聞いております。 いずれにしましても、今、事業継続に向けて受皿探しをしているということでございますので、そういったことへの協力者が現れていただけることを市としても期待するとともに、事業者に寄り添った対応をしてまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 天竜川と風越山は、私たち飯田市民の原風景です。その天竜川から、あって当たり前だったものが消えてしまう、そうならないよう多くの市民が願っています。 ただいまの説明で、厳しい状況だと理解しました。私も飯田駅の観光案内所に勤務していたことがあり、そのときには増水で欠航になったという通知が頻繁に入ってきましたので、今の舟下りの現状は私も分かります。 こうした厳しい現状ですが、市民の皆さんの期待もありますので、何らかの形で継承できるよう、市の皆さんには御苦労をおかけしますが、3月末まで引き続きよろしくお願いいたします。 天竜舟下りの造船技術と、船を操る操船技術などは、天龍ライン遊舟とともに2016年に飯田市民俗文化財の指定を受けました。これを機に天竜川和船文化保存会が設立され、現在に至っています。設計図もなく、特殊な道具を用いた和船造りは、業者によって受け継がれてきましたが、こうした和船造りは全国的に減少しています。天竜舟下りと天龍ライン遊舟の和船の構造は、若干異なります。文化財保護の観点から、市はどのように考えていますでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 天竜川舟下りについて、保存継承、改めてその価値について確認をしたいと思います。 天竜川の舟下りは、江戸時代の天竜川の通船、つまり船の行き来がもとになっています。江戸時代の操船や造船の技術を引き継ぐ河川の遊覧船として、日本で屈指の伝統を持ち、その中で紀行文や短歌等の文芸作品、書画、歌謡、映画などの文化が生まれたこと、名勝天龍峡を活用する上でも最も重要な位置づけにあると言えると思います。また現在、天竜川流域での川下り舟の操船や木造船の造船技術も当地域にしか残っていないことから、平成28年7月に飯田市の民俗文化財に指定されました。 所有者及び技術保存継承者は、これまでこうした和船文化を保存継承していくために、和船文化の保護に関する資料保存の作成や、操船・造船技術の伝承、和船文化をかけ橋とした海外交流、鵞流峡の環境保全活動等に取り組んでまいりました。 市の民俗文化指定につきましては、事業者からの文化財指定の要望を起点にして調査を行い、文化財審議委員会での審議、答申を経て指定に至った経緯がございます。指定申請をいただいた事業者としても、市民共有の貴重な文化財となった天竜川舟下りの価値を後世に保存継承していく役割があることを御認識していただき、できる限りの取組を行っていただきたいと考えています。 特にマニュアルがなく、先輩の動作を見て身体で覚えた操船技術や、設計図もなく寸法と勘だけで伝えてきた造船技術が、観光川下りの舟の存続によって引き継がれてきた経緯がありますので、これらの技術を記録に残すことが重要であり、こうした取組への協力を求めてまいりたいと存じます。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) そうしましたら、4月以降も飯田市の民俗文化財として続いていくということでよろしいんでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) そのとおりに捉えて結構です。
    ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) そうしましたら、今後も飯田市の民俗文化財としての計らいを天竜舟下りのほうへもよろしくお願いいたします。あと、継承できるような努力も、何らかの形でお願いいたします。 天竜川では、ラフティングやカヌー、釣り、マレットゴルフなども行われています。天竜川の新たな可能性も同時に探っていただきたいと思います。 最後に、3月25日から開催される飯田お練りまつりについて伺います。 飯田お練りまつりを主催する奉賛会は、コロナの感染警戒レベルが5であっても開催する判断を下しました。安全・安心な開催に向け、支援する飯田市として取り組む内容をお聞きします。また、感染警戒レベル5の中での人出の見込みも教えてください。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) このお練りまつりに対して、市としてどういうことをするかというお話でしたが、これはせんだっての議会で、コロナの感染対策費として別途に1,200万円の追加をお認めいただきました。 この内容といたしますと、臨時駐車場や市街地に受付を設けて、検温と不織布マスクの確認をさせていただくということ、それからスタッフや出演団体、関係者の皆さんは期間中に毎日、検査キットによる検査を行っていただくということ、それから観光客の皆さんには、飯田市内だけでなくて昼神温泉のほうまでも、ホテル・旅館に飯田のお練りに来ていただく方用の検査キットを毎日全員分用意するといったようなこと、それからさらに、今回、できるだけ密にならないように、混雑回避のため誘導だとか、それから受付にも人員が必要になるんですけれど、警備会社だけでは人の手配になかなか限界があると、松本や長野のほうまで手配しても限界があるということでございましたので、今回は市の職員も動員をかけまして、いろんなまちの中の流れを整理するといったようなことまで行うということでございます。 さらに、市民の皆様にもしっかりと検査をして、対策をして出かけていただきたい、御覧になっていただきたいということでございます。 それから、観客等の見込みというお話もございました。これは、出演団体は前回より減っておりますので、ということは演者さんも前回より減るということになりますし、それから観客の皆さんにも自ら控える方もいるだろうというようなお話も今出ておりますので、前回よりは少なめになるかなあというふうには思っておりますけど、具体的な人数だとかはちょっと見込みが立ちませんので、そういう状況だというふうに御理解いただきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 前回のお練りまつりの人出は20万人とも30万人とも言われていました。今回はどのようになるのか、まだ未知数ですが、こうした大変な時期での開催に御苦労を皆さんにおかけすると思います。安全に開催できるようによろしくお願いいたします。 出演団体の皆さんの練習にも熱が入っていることと思います。こうした中で、飯田お練りまつりを開催する意義についてお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) お練りまつりの意義ということでございますが、お練りまつりは、数え7年に1度、申と寅の年に行われる南信州最大の祭りでございます。この機会にしか披露しない団体もあります。こうした団体が一堂に会して、飯田の貴重な伝統文化を地域を挙げて老若男女で共有する、そこで例えば湧き上がる底力とか、ほとばしるエネルギーとか、そういったものを地域の誇りとして地域全体で確認する。そしてそれが次への様々な取組の源泉となり、また活力にもなると、そういうものだと思います。それがまた、お練りまつりということで当地域の発信となり、当地域の認知度向上にも大きな役割を果たす、そういう機会だというふうに捉えております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 時代の激しい変化の中で、地域の貴重な文化の継承や地域の絆、活力、そういったものが築けるということで、大きな意義があるということが分かりました。今年の飯田お練りまつりが無事に開催されることを願いたいと、今、さらに思いました。 こうした文化的な視点に立ちますと、お練りまつりのルーツを紹介する飯田市美術博物館の常設展示が今回は埋もれてしまい、生かされていないと感じています。城下町として栄えたかつての中心市街地の雅な文化も伝える内容となっております。この点について市の見解はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) お練りまつりを含めた地域の自然や文化の魅力発信は、飯田市美術博物館の展示事業の使命と捉えています。 人文の常設展示展では、常時お練りまつりの紹介を行っていますが、今年のお練りまつりに向けて祭りの成り立ちや歴史をより詳しく紹介する展示パネルの充実を行いました。お練りまつりの期間中は、南信州民俗芸能継承推進協議会と連携し、中央通りの空き店舗を活用したサテライト展示も行う予定です。それぞれの利点を生かし、お練りまつりの魅力を情報発信するとともに、美術博物館の展示のPRや学びの機会にもつなげてまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) すみません、ちょっと私の理解が今きちんとできなかったんですけれども、この常設展示は、今回はどのような扱いになっていますでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 人文の中の常設展示では、常にお練りまつりの展示を行っています。そして、今年のお練りまつりに向けては、祭りの成り立ちや歴史をより詳しく紹介する展示パネルの充実を行っています。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 退職された学芸員さんが残していった常設展示で、とても充実している内容なんですけれども、この常設展示をもうちょっとアピールしてはどうかなあと個人的には思っておりました。ちょっとそういったPRが見られなかったので、ちょっと一般質問で触れさせていただいたんですけれども、もうお練りまつりまであと数週間となってしまいました。ですが、ぜひ多くの方に見ていただきたい展示だと思いますので、今回の飯田お練りまつりの前後に一人でも多くの方に足を運んでいただきたいと思います。 こうした展示も、飯田市ならではの貴重な財産です。先ほど触れた備品や、こうした展示も生かしながら、飯田市の文化向上にもこれまで以上に取り組んでいただくことを期待して、私からの一般質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(井坪隆君) 以上で、関島百合さんの一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     10時22分 休憩-----------------------------------     10時30分 再開 ○議長(井坪隆君) それでは、休憩を閉じ、会議を再開いたします。 次の一般質問を行います。 宮脇邦彦君。 △宮脇邦彦 ◆5番(宮脇邦彦君) 皆さん、こんにちは。公明党、宮脇邦彦でございます。 それでは、通告に従い、今回はSDGsとZ世代について、デジタル社会を進める上で欠かせないマイナンバーカードの普及促進について、以上の2点を取り上げさせていただきます。 まず初めに、SDGsとZ世代についてです。 持続可能な取組へ、若い世代とどう向き合い、近未来を描くには何が必要か、議論させていただきます。 いわゆるゆとり世代に次ぐZ世代、オリンピックで、また将棋界でと様々な分野での彼らの活躍は御存じのとおりでございます。彼らを知り、その価値観を取り入れることが、地域再生の糸口になるのではないかと考えました。 まず、Z世代の特徴と価値観について考えます。 彼らは、就職や進学が比較的容易な時代に育ちました。要因としては、団塊の世代の大量退職による人手不足、アベノミクスによる雇用情勢の改善、Z世代の目線で言えば、景気がよく、経済が安定していて、少子化に伴う人手不足の恩恵を受けてきていると言われます。ある意味で競争心が少ない世代とも言えます。 まずは、このようなZ世代の特徴は、どのような価値観を持っているとお考えでしょうか、伺います。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 塚平総合政策部長。 ◎総合政策部長兼IIDAブランド推進課長(塚平賢志君) Z世代の特徴はということでございますけれども、一般的に言われていることですけれども、Z世代は欧米でジェネレーションZと言われておりまして、1990年代中盤以降に生まれた世代、現在10代の前半から25歳くらいまでということだそうです。 特徴ですけれども、まずスマホの第一世代ということで、子供の頃からスマートフォンやソーシャルメディアを使いこなしている、いわゆるソーシャルネーティブ層であることとか、それからSNSにおける存在感が強い、承認意欲が強い、承認意欲が強いというのは、いいねということなんですけど、いいねを欲しがるということだそうです。それから、議員から御紹介ありましたが、競争心が強くなくてのんびり世代、それから恐らくカーシェアとかルームシェアだと思いますけれども、シェアする暮らしを自然に受け入れると、自分で物を所有する価値観というよりも、つながっている価値観を重視、それから心理的に安全性の高い場づくりを大事にするというようなことが言われております。 これらはメディアとか評論家が言われていることなので、実際はちょっと分からない、当市の若者はどうかということで、市民の意識に関する基礎世論調査から傾向を探ってみました。本来、これは年代ではなくて世代ですので、10年以上前、例えばZ世代の前のY世代の方が20代だったときにどうかということを調べなくてはいけないんですけれども、残念ながらちょっと設問が異なっていますので、そこは無理でした。単に年代の特徴ということなんで、最近のアンケート結果で見ますと、例えば市役所からの情報ですとか防災情報の入手についてはSNS等のデジタル媒体が多い、それから移住者の受入れには寛容である、それから地域活動の参加が少なく、地域参加への関心が高くないんではないかと思われますけれども、自らが直面する事項、例えば産業ですとか結婚・出産・子育て、リニア、こちらは比較的関心があると。それから、地産地消や環境に関しては比較的関心が低い、こういった状況です。 先ほど申しましたように、これは世代の特徴かどうか分からないんですけれども、年代の特徴かもしれません。それから、こういったものはあくまでも集団の傾向でございますので、集団の傾向が個々人の特徴でないということには、十分留意が必要かなというふうに思っております。以上です。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) そうなんですね、おっしゃられるとおりかと思います。 Z世代とよく比較される一つ前のゆとり世代、彼らは大変に、ある意味悲惨な状況がありました。バブル崩壊、リーマンショック、世界的な金融危機、長く続いた就職氷河期と、そういった時代を生きてきた。結果として今、よく取り沙汰されます非正規雇用の増加、デフレ、そういった日本経済でいう暗い部分で生きてこられました。やはり私も思うんですが、社会状況というのがその世代を特徴して、また形成しているというふうに考えます。 ここで、信州大学の若者研究の第一人者と言われる原田曜平特任教授の弁を一つ紹介したいと思います。 Z世代はマイペースでがつがつしていない、先ほどおっしゃられたとおりです。スマホ第一世代、SNSをずうっと触っている。日本人が苦手としている発信力が旺盛、自己顕示欲も強い。先ほどあったとおりです。いいねというのを多く欲しがると。そういった価値観ということを指摘されています。 まさしく先ほどおっしゃられたとおりでありますけれども、では、その特徴、価値観を理解した上でですが、いいだ未来デザイン2028、基本目標の2に飯田の魅力を発信し、人の流れをつくるというものがあります。そこへつなげてみた場合、Z世代の旺盛な発信力とその価値観、地域のために生かすにはというふうに考えました。彼らの発信力の基となる飯田の魅力、どのようなものをお考えでしょうか、お聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 塚平総合政策部長。 ◎総合政策部長兼IIDAブランド推進課長(塚平賢志君) まず、未来デザインは、定住人口を増やすことを目標としていますので、魅力を発信するのは当然重要なことでございます。 今のZ世代の魅力は何かということをおっしゃられましたが、情報発信のターゲットとしては、こういったZ世代の特徴を把握することは重要なことでして、戦略的に発信したいと思っておりますし、今、例えば私どもの部署では、意識して肉の日に焼き肉の動画なんかを起こしていますけれども、小さな鉄板で一人焼き肉なども発信するようにして、こういったものは若者の方に、いわゆる刺さると思ってやっております。そういったものかなあと思っております。それから、飯田の魅力を逆に集めるというような企画もやっておりまして、短期間で200幾つを超えるような写真も集まりましたが、そういう逆のこともやっております。 そういうようなこともございますが、情報発信の送る先としてターゲットとして考えたときには、Z世代の特徴を踏まえると。ただ、担い手として考えたときには、Z世代かどうか関わらず、情報発信が得意な方もいらっしゃるもんですから、そういった方にリツイートしていただくようなもの、そういったことも大事かなあというふうに思っております。以上です。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) そこで私も、地域の魅力というのはどこにあるのかということで、一つ事例を御紹介したいと思うんですけれども、飯田はコーヒーがおいしいという話をよく聞きます。友人から紹介されまして、中川村、ちょっと飯田市ではないんですけれども、あるカフェに行ってきました。里山にぽつんとたたずむ小さなお店なんですけれども、どこか山小屋風なんですね、居心地がすごくいいと、そういった実感でした。店内は地域のお年寄りや、遠方から若い方がやってくる。もう9年目になるそうですけれども、そこの店主いわく、人との関係性を大事にしていますよと、関わることを心がけているんですというふうにおっしゃっていました。こういう決して便利とは言えない場所に、何で多くの人が集まるのかなと、店主の言葉を借りると関係性を大事にするということで、居心地がいい空間ができて、そこが人を引きつけるんではないか。結局、地域も魅力といいますけれども、やっぱり何げない日常の中にという部分がいい空間、そういったものがあるんではないかというヒントをいただいたような気がいたしました。 次に、Z世代の環境意識について考えたいと思います。 昨年末、地域の大学生と話をする機会がありました。環境問題などの話題にもなりまして、もう率直に環境に何かいいことをしたいですかというような話を聞いてみました。そうすると、したいですよという答えが返ってきました。いわゆる問題意識というのは非常に共有できたなというふうに、そこで感じた次第です。 大学生など、若者の間でよく売れているシンプルな透明ボトルがありますけれども、彼らが水筒代わりに使っているような姿を見ると、私たちからすると、すごくエコ活動だなというふうに思うんですけれども、先ほど上げた信州大学の原田教授の分析では、彼らはそのボトルを持つことがかっこいいというだけで、いわゆるインスタ映えのおまけというような捉え方をされていました。彼らの環境意識、原田教授の言葉を借りると、微妙な環境意識というふうに言われていました。 また昨年末、日本経済新聞社の意識調査を見ましても、Z世代では大気汚染など環境意識は決して高くないと、そういった意識調査が出ています。彼らの環境意識については、どのように捉えていらっしゃるでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) Z世代の環境意識というところで御質問いただきました。 先ほどの質問で、総合政策部長から市民意識調査の関係で、Z世代の環境への関心が低いという調査結果が出たという報告もございました。 ただ、Z世代に限らず、様々な年代で環境意識というのは高い方というのは存在をしております。そういった意味では、この世代にも環境意識が高いと思われる方たちがいるということも事実と認識しておりまして、例えば、昨年開催をいたしました南信州環境メッセの中で、ソーラーカーへの取組ですとか、SDGsすごろくの作成ですとか、SDGsゲームへの参加など、環境に対する意識を高くお持ちの学生さんもおいでになりました。 また、昨日もお示しをしましたが、飯田学(りん)大学の中でも環境に対する取組が紹介をされたところであります。そういったような方たちには、企画力ですとか発信力を持っている方もおいでになるということを認識しております。環境意識の普及・啓発といった面で、今後も協力していけることが望ましいんではないかと考えているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 目をちょっと外へ向けてみますと、スウェーデンの環境活動家、有名ですけれどもグレタ・トゥーンベリさん、彼女はもう今、19歳なんですね。彼女たちの環境活動というのを、外を見た目でいいますと、かなり盛んで高いなというような意識を感じるわけでありますけれども、先ほどもありましたように私たちの身近では、環境意識も彼らとの関わりの中でやっぱり成長させていくものだというふうに考えております。 続いて、Z世代のダイバーシティー、いわゆる多様性の理解といった部分で伺います。 先ほどの大学生に話を聞いたとき、高校時代にクラスに何人かLGBTQに該当する友達がいたと、物おじせずにはっきりと話してくれました。居合わせた数人の仲間たちも、自分のクラスにもいたよというふうに話を普通にしてくれたんですね。性的少数者への偏見というのが間違いなく小さくなっているというふうに、そこで感じました。彼らのダイバーシティーへの理解、どのように捉えていらっしゃるでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 先ほどの答弁もそうなんですけれど、Z世代だけには限ったことではないとは思いつつも、多様性に配慮している皆さんが大勢いるという部分では、現状認識をしております。 特にその中でも、LGBTQですとか男女共同参画という言葉が身近なものとして生まれ育った高校生、若者の皆さんについては、新しい価値観を年上の世代と共有をしながら、多様性社会を実現していくために必要不可欠な存在であるというふうに認識をしております。 ただ、そうした皆さんは、なかなか表立った活動をすることが多くないというふうにも認識をしておりまして、こういった場合に関しましては、今後これからオープンをいたします(仮称)飯田駅前プラザの創発エリアにおきまして、Z世代に当てはまる高校生ですとか若者を主なターゲットとして、多様性社会推進係を新設する中で、創発エリアの運営に臨んでいきたいというふうに思っています。発信力ある皆さんの知恵を借りて、Z世代に限らず、外国人住民の皆さんですとか、様々な皆さんの活動を私どもとしては応援をしていきたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 彼らと接して感じることというのは、やはり現状カミングアウトがしやすい、また普通に受け入れてくれる世代なんだなというふうに思いました。 また、先ほどもありました信大の原田教授の言葉を借りると、やんわりとした優しさがあるんだというふうに言われています。逆に、強い主張や押しつけがましい話には一歩引いてしまう、でもやんわりと解いていくと、それを早く吸収してくれて力に変えてくれて、それがZ世代なんだというような結論でした。 それでは、今までの話の流れを受けまして、私たちのような中高年世代、その関わり方、どうしたらいいでしょうか。 最近私も、若い世代の方々といろいろ関わらせていただき、一様に感じることは、全体的に真面目であるということです。昭和、平成といった時代では、企業の成績で5の人もいれば1の人もいた、そういうふうに実感します。しかし、最近彼らと向き合うと、平均点3ないし4という印象がやっぱり強いです。これまでの考察からも、やんわりと話し、積極的に関わる、そういったことが大事というふうに認識しますが、私たち中高年の関わり、どのようにお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平総合政策部長。 ◎総合政策部長兼IIDAブランド推進課長(塚平賢志君) 大変お答えにくいんですけれども、中高年代表というわけではないのですけれども、やはり育った世代が異なりますので、ジェネレーションギャップみたいなものはあるんだろうなあというふうに思います。その上で、意識や背景の違いを認識して、お互いの活動を共有する、認めるということが大事なのかなと思いますし、中高年世代としては、Z世代を育てるということばかりではなくて、先ほどグレタさんの例がまさにそうだと思うんですが、中高年世代が学ぶということも相当あるんだろうなあというふうに思います。これは、もう実感として思っております。 例えば、学(りん)の関連で集う学生などを見ても、私も宮脇議員と同じような、非常に真面目だなあという感想は持っていますけれども、いろんな方がいらっしゃいます。先ほど市民協働環境部長が答弁しましたように、5月オープン予定の駅前プラザの公共空間ですね、こういったところが多世代や多文化の交流と学びによる新しい価値の創発ということのステーションになるもんですから、こういった場所を積極的に活用して、高校生中心ではなくて、我々中高年世代もそこに通うということも含めて、そういうようなものの芽を育てていきたいと、そういったことも接し方ということではなくて、そういうような場を設けるということも大事なんだろうなあというふうに思っております。以上です。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 私も今の若い人はすごいと、拍手を送って余韻に浸っていたい中高年の一人でありましたけれども、これからは関わりということを自分事化していくことが大切な要素というふうに考えます。それがZ世代を理解して、一緒に近未来を描くことにつながるというふうに思います。 そこで、Z世代の彼らと近未来を描くには何が必要か、SDGsの観点から質問をさせていただきます。 SDGsと地域に根差す教育についてです。 昨日の一般質問、我が会派の小林議員の内容にもありましたが、いいだ未来デザイン2028にて、昨年、2021年、環境文化都市への新たなステージをつくり出す再構築プラットフォームの活動が始まりました。その中に、SDGs等の各学校の取組支援の内容がありますが、その内容及びその進捗について伺います。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 来年度、環境文化都市再構築プラットフォームの構築というのを目指しておりまして、その取組の一つといたしまして、学生に寄りますSDGs活動を通じた学生ネットワークの構築を新たに進めたいというふうに考えております。既に今年度からその素地づくりを進めてきておりまして、飯田女子高校のカーボンニュートラルゼミにおきましては、気候変動についての現状と現在の課題について勉強会を重ねてきたところであります。 また中学校では、緑ヶ丘中学校の2年生の美術の授業におきまして、21’いいだ環境プランを題材といたしまして、SDGsのアイコンのデザインを作成するという授業を行いました。また、その過程で学習会を開催するなどしてきたところでございます。 また、本年1月の学輪IIDAによります飯田学(りん)大学の若者が未来を考えるシンポジウムにおきましては、津田塾大学、明治大学等の協力をいただく中で、飯田女子高校、下伊那農業高校の生徒がSDGsの取組事例を発表するなどしたところでございます。いずれも学校側の評価は非常に高く、継続要望があったところでございまして、学輪関係の大学の先生方にも大変好評でございまして、学校との連携を深めて次年度につなげていくということで考えているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) さらにですけれども、長野県の環境部主催のサステナブルNAGANO共創プラットフォームとの連携という内容もございました。 この内容も、具体的にはどのように実施するのでしょうか。また、現状の課題等がありましたらお知らせください。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 県が設置予定としておりますサステナブルNAGANO共創プラットフォームのことでございますけれども、SDGsのうちの気候変動に特化をした取組でございまして、気候危機に立ち向かう県民の輪を拡大し、多様な主体が連携・協働して、県の気候危機突破プロジェクトを推進していきたいとするものと聞いております。 県におきましては、専門人材を配して各圏域でゼロカーボンミーティングを開催し、環境先進事例への取組の学習機会を提供する等と聞いております。 当市でも、この活動と連携をいたしまして、環境文化都市の実現に向けて取り組む市民活動や企業活動を支援し、具体的な活動につなげていきたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) そのプラットフォームを構成するメンバーというところを見せていただくと、若者グループや大学なども含まれていまして、いわゆるZ世代への拡散というところが期待できるところなんですけれども、その周知方法というのはどのように考えていらっしゃるでしょうか、お聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) その周知方法ということでございますけれども、一般論として若者世代につきましては、2050年に地域社会の中心として活躍する世代であるというふうに受け止めをしておりまして、この世代に対する政策訴求というのが非常に重要であるというのが、まず基本的な考え方であります。そのために次年度、SDGs学生ネットワークというものを構築いたしまして、学び・相互理解・実践を重ねながら創発の場で、この活動の成果といたしまして、サミットを(仮称)駅前プラザを活用して開催をしたいと考えています。 この過程で環境文化都市の理念でありますとか、当市の持続可能なまちづくりについて、学生自らがテーマを決めて議論をし、学び、連携を深め、自己実現につながる行動に移すことで、若者世代の共感を得ながら拡大をしていきたいという方法を取っていきたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 創発活動につなげていくといった御答弁でした。 その周知というところにちょっとこだわって御紹介をしたいことがありまして、三重県のいなべ市というところで、2020年にSDGs未来都市ということで内閣府から選定をされました。何をしたかというと、いわゆるユニバーサルデザインのロゴ、UDというロゴなんですけれども、これをあしらったフォントのデザインを広報という部分で非常に大々的にアピールをして使うということで、市民へ環境の未来都市なんだよと、SDGsという部分を広く訴えていると。逆にそれが市民からは分かりやすいということで好評を得ているといったような内容がございました。また、奈良県生駒市というところでは、教育委員会で同じようなユニバーサルデザイン、UDのロゴマークの採用を決めて、全小・中学校へそのUDと描いたフォントなんですけれども、それを掲示して、全庁的な取組へ波動を広げているといった内容です。 当市においても、SDGs目標4の質の高い教育といった部分にも貢献していくと考えますけれども、ユニバーサルデザイン、UDというロゴに限定するかどうかは別でありますけれども、そういったものの導入というのはいかがお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 今御紹介いただきました公共施設等のユニバーサルデザインという部分につきましては、私どもばかりではなく、建設部を中心に様々導入をする際に検討を今進めております。 今御紹介いただきましたように、他市の推進事例というのもしっかりと共有をさせていただいて、使えるものは使っていきたい、生かしていきたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) ぜひ御検討を前向きにお願いしたいと思います。 続いて、飯田SDGs学生サミットを中高生からSDGsのうねりを起こすといった部分で取組が進んでいるというふうに認識しております。その内容について伺います。現状と課題、また期待される効果、どんなことでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 先ほども申し上げましたけれども、今年度、環境メッセを初めて開催させていただいた中で、飯田女子高校、下伊那農業高校、OIDE長姫高校もそうでございますけれども、それぞれの学生の皆さんが環境、ゼロカーボンシティも含めてどういう取組をしているかというのは、非常に興味深い研究をされているというのが明らかになりました。私どもも、これまで環境をどう広げていくかといったときに、学生の皆さんが真摯に取り組んでいる姿というのをいかに広げていくか、また私たちの政策をそういった皆さんにいかに広げてもらうかといったようなところを、非常に参考になる取組を紹介させていただきました。 そういったような部分を考えたときに、我々の環境に対する取組に関しては、学生の皆さんにPR、広報といったような部分を担っていただくことが非常に重要だというふうに考えております。そういったようなことから来年度、この環境のネットワークを学生の皆さんに集まっていただいてつくっていきたいということからスタートを考えたところでございます。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) また、ここで一つの例なんですけれども、岐阜県の多治見市、お隣の多治見市ですけれども、環境フェアというのをやはり同じように行っていまして、毎年2月に行われるそうですけれども、2021年の実績では、コロナ禍ではあったんですけれども5日間で約500人を超える来場者があったということです。いわゆるSDGsと連動させるというような取組に発展させるように取り組んでいらっしゃるようでありますけれども、アフターコロナを見据えて、飯田SDGs学生サミット、先ほどおっしゃっていただいたような交流という部分で、例えば他県、ほかの自治体と交流することを検討するというようなことはいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 当面、考えておりますのが、先ほど申し上げましたSDGsの学生サミットについては、当面県内の圏域内の学生の皆さんに声をかけてというふうに考えていますが、その先にあるものとしては、周辺の皆さんとの交流といったような部分も当然想定されるというふうに考えております。 学生に限らず、環境の先進地域のつながりというのも既に飯田市では行っておりますので、そちらのつながりも生かしながら、そういったようなことも今後検討してまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 先ほど御紹介もいただきました飯田市での南信州環境メッセ、長野県と連携で行っていらっしゃるというところでありますけれども、私も内容を見せていただきました。パネルディスカッションがあったり、高校生作成のデモカーの展示があったり、また子供のエコ講座があったり、また体験コーナー、非常に多彩なんですね。やはりこういった内容をSDGsと連動するという動きという部分は、県との連携も当然あろうかと思いますけれども、今後どういうふうにお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 南信州環境メッセの御質問をいただきましたので、少し今年度行いました結果をお知らせしたいというふうに思います。 12月に開催をいたしました南信州環境メッセでございますけれども、地域の有志団体が構成をいたします実行委員会を事業主体として、長野県南信州地域振興局、それから南信州広域連合を事務局として開催をしたところであります。飯田市も実行委員として参画をし、2日間で延べ1,300名を超える来場者がありました。 開催テーマにつきましては、もう御案内のとおりでございますけれど、ゼロカーボン社会の実現ということといたしまして、南信州版のゼロカーボン推進見本市という位置づけで行ったところでございます。 今回のテーマはゼロカーボンということでさせていただいたんですけれども、今御指摘をいただいたように、SDGsへの取組というのが非常に重要であるということから、飯田市の出展ブースにおきましては、SDGsをテーマに市の環境政策についての展示を行うとともに、飯田市も参画をいたしております地域ぐるみ環境ISO研究会もブースでSDGsの手作りストラップを無料配布し、好評をいただいたところでございます。また、他のブースでは、飯田市も加盟をいたします県の環境保全協会と飯田女子高校がSDGsカードゲームイベントを開催し、特に若者世代の参加が多くあったと、非常に有効な普及手段としての手応えを得たところでございます。それぞれが工夫を凝らした出展となったというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) やはり南信州環境メッセというのは、最もストレートにSDGsにつながっていますというふうに考えます。市民へも分かりやすい周知になるというふうに思います。何よりまた、未来を担う子供たちやZ世代も、この環境メッセを通じてSDGsを学ぶよい機会になるんではないかというふうに考えます。今後も引き続きの御検討をよろしくお願いいたします。 続きまして、ここで代田教育長へ伺いたいと思います。 2020年12月、代表質問で我が会派からSDGsの考え方を学校教育へ取り入れるにはという御質問をさせていただきました。その際、代田教育長からは、SDGsを学校のグランドデザインへ上げる、学校の声も大事にしていくんだという御答弁をいただきました。 現在、学校の声のその先といいますか進捗、いかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 御質問ありがとうございます。 今の進捗状況ですが、少し前から振り返りをさせていただきたいと思います。 遠山地区3校、上村小学校、和田小学校、遠山中学校は、学校経営のグランドデザインをESD for SDGsの視点で捉え直し、学校運営そのものを持続可能な社会づくりの一環として位置づけて、魅力ある教育活動に取り組んでいます。これは、立教大学ESD研究所との連携協定により、専門家による様々なアドバイスを受け、研修を重ねながら学校が主体性を持って進めてきたものであります。特にその後の状況ということで、大変喜ばしい結果が一つ出ているんですが、今年度実施された信州SDGsアワード2021において、上村小学校は長野県知事賞を受賞しました。学校が地域と一体となり実施した、かみっこグリーンクラブの取組、学有林学習、霜月祭の継承教育など、ESD for SDGsの視点を大切にした教育活動が、地域を含む社会の持続可能性を豊かにしているとの評価をされての受賞です。 今年度、飯田市の各中学校、小学校のグランドデザインを見ると、遠山の3校のほか、飯田東中学校、飯田西中学校や、生徒会活動や伝統的な活動においてSDGsを位置づけている学校が出てまいりました。教育委員会としては、学校の地域と学校が協働したこのような活動を大切に、これからもしっかりと支援していきたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 非常にいい成果が出始めているということで、うれしく思います。 ちょっと遡りますけれども、今回のESD、今御紹介ありました、2017年3月に公示された小・中学校の新学習指導要領の前文及び総則に持続可能な社会の創り手の育成ということで上げられ、また持続可能な開発のための教育ということでESDといったことが示されたという状況であります。 文科省のほうは、2018年5月に手引を出しまして、昨年の2021年5月に、さらにその具体的な取組とか、そういったものを記載したり、改訂版の充実というのを図っています。 今、大分触れていただきましたが、飯田市のESDの取組、もう少しお聞かせいただけますでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 今、学習指導要領にも持続可能な社会の創り手という教育活動がしっかりと示されて、推進されるようにということがうたわれていることを御紹介いただきました。 我々飯田市の中でも、第二次教育振興基本計画の中でも、その持続可能な社会の創り手を育む教育に関しては、しっかりと反映をさせております。この計画の中では、「地育力による未来をひらく心豊かな人づくり」を飯田市の教育ビジョンに据え、この実現のために教育振興の6つの方針を掲げています。この中では、まさにESDの視点を取り入れた人づくり・地域づくりを目指しています。 そのうちの一つが飯田型キャリア教育です。ふるさとのよさに気づき、自ら関わろうとする態度を持つ人、つまり地域の持続可能性を豊かにしようとする当事者意識を高く持った人を育んでいきたいと考えています。 そして、もう一つが飯田コミュニティスクールの取組です。学習指導要領が強調する「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」という理念を学校と社会とが共有し、社会に開かれた教育課程づくりに学校と地域が協働して行い、学校運営を通じた持続可能な地域づくりを進めているところであります。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 当市としても、遠山3校の取組が開始され、また昨年の議会では本年の秋頃、加盟への前進という情報もございました。その後の進捗を含め、ユネスコスクールへの取組を伺います。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) ユネスコスクールの登録についての進捗状況ということですが、まず平成30年に遠山地区の3校は登録申請を行い、取組を進めているところであります。現在、ユネスコスクールのチャレンジ期間が終了し、活動報告書を日本ユネスコ国内委員会に提出し、国内審査が行われている段階です。 飯田下伊那地域には、ユネスコスクールへの加盟をしている学校は今のところありません。ユネスコ本部、パリへ加盟申請をし、認定を受けるには、まだ時間を要することが予想されますが、今までのネットワークを活用し、世界中の学校との交流を通じて情報や体験を分かち合い、そして地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育活動を展開していきたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) そこでなんですけれども、市としてユネスコスクールの拡大といいますか展開という部分で、いきなりというのはやっぱりハードルが高いというのは理解しておりまして、ESDの研究推進校を指定するとか、先ほど東中とかと御紹介がありましたけれども、取組を何年かにかけて実施したり、また先生方へESDを視点とした授業改善とか、ユネスコスクールを紹介する、そういった御紹介とか、そういった展開というのは、どうお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 様々な学校で行われている今の活動を教育委員会が集約しながら各学校に普及、そして考え方を広めていくというのは大事な取組だと思っています。 今、現状でいうと、例えば西中学校では、生徒会が主体となって各委員会、これが17のSDGsの目標に対して何ができるのか、それぞれ考えたり、また東中学校では、生徒数が減少する中で、生徒会・学友会が、私たち自体の活動が持続可能になるようにどうしたらいいのか、どう地域と関係していったらいいのかということで、JKGs、持続可能な学友会ということを掲げて、要は遠い世界のSDGsということではなくて、私たちの足元からどう持続可能な社会をつくっていくことを、宮脇議員の言葉を借りれば我が事、自分事として考え始めています。 大事なことは、教育委員会がやれというふうに指示、伝達をするんではなくて、まさに学校教育の現場からSDGsを解釈し、子供たち、児童・生徒の主体的な取組につなげていくことが大切だと思っています。ですので、そんなバランスをしっかりと見極めながら、このSDGsの活動を進めていきたいと考えています。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) ちょっと視点を変えたいと思います。 信州大学誘致と中高生の関わりということで伺っていきたいと思います。 改めて佐藤市長に伺いますが、信大誘致、千載一遇のチャンスとも言われておりますし、また新学部誘致の推進協議会、1月23日設立もされております。現在の思い、改めてお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 信州大学の新学部誘致についての私の思いということでありますが、この地域に4年制大学をということにつきましては、長い先人たちの思いを受け継いだものというふうにも思っていまして、いろんな思いを持ってこれまで取り組んできた方々がいらっしゃるというふうに思っています。 その上で私の思いを少し申し上げますと、もちろんこの地域において家から通える4年制大学があることによって、若者が大学に行こうと思えば一旦は地域を離れなければならない、その環境を改善するということがあると思います。また、この地域の若者に限らず、全国から若者、あるいは世界から若者が学びに来るということで、20歳前後の若者が地域で活動している、そういった状況というのは、非常に地域力に活力を与えるのではないかということもあるかと思います。 また、大学というまちの拠点ができることによりまして、産業振興、あるいはまちづくりに大きな可能性をもたらすということだと思いますし、リニア沿線に位置づくことになるわけですから、この沿線全体で形成されるナレッジリンクにおいて、飯田が大きな位置を占める核になる、そういったことも期待をされます。 私どもまちづくりを進める者としては、もちろん大学が来てくれればこの地域がよくなるという希望だけを申し上げるわけではなく、この大学に通いたい、住みたい地域というふうに思えるような、そういったまちづくりを進めることが大事であろうというふうに思っております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 私も地元の高校生のほうへ、4年制大学が飯田にあったらどうかということを聞いてみました。男子高校生だったんですけれども、男子が継続して飯田にいられる、また飯田市に経済効果があるんじゃないか、学生も集まるし、人口減少も防げる、また大学卒業後、地元で就職もできそうでうれしいという一様に歓迎するプラス回答でした。 ここで提案なんですけれども、将来の大学建設という部分の要望ということに関して、中高生の声に耳を傾けるということに関しては、いかがお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 今の中高生、あるいはそれよりも若い世代であれば、これから信州大学新学部がこの地域で形成された場合に、そこに学ぶ可能性のある世代ということになるかと思います。そういった皆さんとこの地域の将来、大学のあるまちの将来図を描くとか、あるいは先ほど申し上げた大学生が通いたくなるような、住みたくなるようなまちづくりはどんなことか、そういったことを一緒に考えていくというのは、この地域全体のまちづくりを一緒に盛り上げていくということについて、非常に有効だというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 今後、情報リテラシーと最近よく言われますけれども、そういった点からも中高生の声を集めるなど、ぜひ具体的な御検討をお願いしたいと思います。 それでは次に移ります。 デジタル社会に欠かせないマイナンバーカードの普及促進について伺います。 まず、マイナンバーカードの必要性についてです。 本年1月1日現在、マイナンバーカードの全国の普及率41%です。長野県は35%、国は令和4年度中にほとんどの国民がマイナンバーカードを保有することを目指しています。マイナポイント、また健康保険証等の利活用、そういった部分で今推奨が始まっております。 現在、マイナンバーカードの普及率が低い原因として、マイナンバーカードを必要としている人がまだまだ少ないことが指摘されます。そこで、マイナンバーカードを持つことのメリットについて、今後期待される活用方法、また改めて分かりやすく周知する必要があると考えますが、その所見と、また飯田市の最新の交付率について伺います。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) マイナンバーカードの効果といいますかメリット、それから交付率というところで2点質問をいただきました。 まず、マイナンバーカードのメリットでございますけれども、本人確認の際の公的な身分証明書としての利用ができること、また行政手続のオンライン申請、健康保険証としての利用などが一般的に上げられているところでございます。 また、当市におきましても、来年度中に住民票等各種証明書のコンビニ交付を予定しているところでございます。 また、国におきましては、マイナンバーカードの普及促進、消費喚起ですとか生活の質の向上につなげるため、マイナポイント1人当たり最大2万円相当を付与いたしますマイナポイント第2弾を今年1月に開始したところでございます。現在、国におきましてマイナンバーカードの取得促進に向けた広報戦略を作成いたしまして、テレビCM、新聞広告、各メディア等を用いて情報発信が始まっているところでございます。 飯田市といたしましても、デジタル社会の鍵となりますマイナンバーカードの交付率を上げるために、「広報いいだ」、ホームページ、SNSといったものを駆使いたしまして、市民にメリットを分かりやすく丁寧に周知をしていきたいというふうに考えております。 また、当市のマイナンバーカードの交付率でございます。直近で3月1日現在でございますけれども32.7%でございます。参考までに、国は42.4%、長野県が36.5%という状況でございます。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) マイナンバーカードを普及する上で、行政手続に関してマイナポータルという役割、これを理解することが大事だというふうに思います。現在のマイナポータルはどんな役割を担って、今後どのような役割が期待されるというふうに考えますでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) マイナポータルについての御質問でございますが、マイナポータルにつきましては、マイナンバーカードを利用いたしました行政手続の入り口となっておりまして、マイナンバーカードを取得することによりまして、子育て、介護関係などの行政手続、医療費や薬剤費、所得税、年金などの自分に関する情報の取得ができることとされております。 今後期待される役割といたしまして、例えばマイナポータルからの転出・転入手続のワンストップ化ですとか、パスポートの申請などの手続といったようなものが予定をされておりまして、今後の国の施策によりまして、行政手続の拡充ですとか、取得できる情報の種類が順次増加していくものと見込んでおります。
    ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 続いて、マイナンバーカードの市内医療機関における健康保険証としての使用率向上について伺いたいと思います。 今後、マイナンバーカードを健康保険証として病院等へ持参し、必要な手続をすることでどのようなメリットがございますでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 高山健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高山毅君) マイナンバーカードを健康保険証として利用するという方法を取ることができれば、その分カードを持つ枚数が減るわけでありますので、そういう意味では利便性が高まると思います。また、データの中に様々な検査のデータが残りますので、それを使って医療診療行為の助けになるものと考えられます。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 厚生労働省では、令和4年度末までに全ての医療機関、薬局でマイナンバーカードが健康保険証として使えるよう、各施設で顔認証つきのカードリーダーの設置等の整備に取り組むとしています。しかし、現在市内で利用できる医療機関、薬局はまだまだ少ない状況があります。 今後、多くの施設で利用できる環境が整備されることが望まれますけれども、現在の状況やその課題について伺います。 ○議長(井坪隆君) 高山健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高山毅君) 市内では、2月24日現在でくくりますと21の医療機関、それから6つの薬局でカードリーダーの導入など、システムの改修等が進んでおるという状態でございます。 導入に当たっての課題というお話でございますけれど、カードリーダーを備えれば済むということではなくて、システム改修の手間がかかるなどのそういった課題があるということでございます。これに対しては、国のシステム改修の補助金などもありますので、こういったものの周知をしてまいりたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 次に、身分証明書としての代替効果について伺いたいと思います。 当市において普及がなかなか進まない要因の一つとして、自動車の保有率が高い、運転免許証が公的な身分証明として多く利用されているということが考えられます。身分証明書を求められた場合に、長年運転免許証を提示してきた方は免許証を手放すことにためらいがあるということも伺います。免許証返納の際に、顔写真つきの身分証明書としてマイナンバーカードの取得を推進するということが有効というふうに考えますけれども、当然県の取組であったりとすると思うんですが、市民への啓発、こういった内容ではいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 運転免許証の代わりにという御指摘でございます。 運転免許証を自主返納いたしますと、公的な身分証明書として使える運転経歴証明書の交付を現在は受けることができるということになっております。これに対してマイナンバーカードでございますけれど、対面による本人確認だけではなくて、電子的な本人確認ができる、住民票等各種証明書のコンビニ交付、行政手続のオンライン化や健康保険証としての利用等メリットが大きいというのは、先ほど御案内したとおりでございます。こういったようなものがメリットとしてついてくるということでございますので、今御指摘をいただいたように、免許返納の際にマイナンバーカードの取得を促すことというのは非常に有効であるというふうに考えます。議員御指摘のように、県と関係機関との協議が非常に必要になってまいりますので、そういったようなことを検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) ここでまた一つ、ナンバーワンのマイナンバーカード普及率を誇る宮崎県の都城市の取組を少し御紹介したいと思うんですけれども、都城市では2つ大きな取組のポイントがありまして、官民連携によるマイナンバーカードの魅力を何とか上げていきたいというものと、マイナンバーカードを出先、庁舎から出ていって現場へ行って申請する手続というサポートを行っています。 その魅力という部分で言ったときに、当然自治体だけではなくて民間の力も借りてという部分で、例えばどうしても普及率が低い20代とか30代という世代に対しては、地元の銀行と子育て応援ローンの金利を下げるという取組をされたりとか、また温泉施設、市で運営しているようなものがあれば、そこでよくポイントをためるというようなサービスがある、飯田もありますけれども、そういったときに、今まで1回行くと1個だったやつを2個に増やすとか、かなり具体的なことで現在普及率ナンバーワンと、そんな状況があります。 当市においても、そういった民との連携といった部分で、ただカード、カードというわけではなくて、カードを持つための魅力というか、そういったものを上げる取組というのはいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 今御紹介いただきました様々なポイント等、メリットを付加してはどうだというお話でございます。 今御紹介いただきました都城市をはじめ、交付率が高い自治体の取組というのは、公開をされているというふうに認識をしておりますので、数点のところを参考にしまして、当市としてどういったようなものが考えられるのかというふうに検討してまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 長野県内でも青木村では、マイナンバーカードの担当者が新型コロナウイルスのワクチンの集団接種会場で、接種の後、経過観察の待機時間を利用して、そういった利用の登録手続の推進を図ったり、上田市では担当者が高齢者のお宅を訪問して登録の手続を行ったりというような具体的な例もございます。ぜひ前向きな御検討といった部分をお願いできればというふうに思います。 そうはいっても、やはり普及促進というのを図って、皆さんに利便性というのを分かっていただくといった部分で、マイナンバーカードが申請しやすい環境づくりの取組というのをやはり進めるべきというふうに考えます。また、この点についても課題と、今後の対策があればお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) どういう対策かという部分でありますと、出張申請というのを現在、力を入れて行っているところでございまして、国からも積極的に実施するよう通知がなされているところでございますけれども、既に当市におきましても商業施設、それから確定申告、住民税の申告会場というようなところに出向いて、出張申請を受け付けるようにしております。また、先ほども御案内がありましたけど、ワクチン接種会場には普及啓発用のポスター等の掲示もしております。 今後、さらに市内20地区に出向いて、申請手続、申請サポートといったような部分を実施する予定としておりまして、また企業に対しては、どのような形で出向くのがよいのかといった検討をしているところでございます。ですので、出張申請につきましては、現状の新型コロナウイルスの感染状況というのも影響してまいりますけれども、そういったものを見極めながら感染対策を行った上で、そういった出張申請等を積極的に行っていきたいと考えているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 宮脇邦彦君。 ◆5番(宮脇邦彦君) 今回、全国で展開されていますマイナポイント事業第2弾というのがあります。やはりこういったものもマイナンバーカードの普及促進と、コロナ禍で落ち込んだ消費喚起といった部分が大きな目的かと認識しております。 今後、アフターコロナへの助走といった部分も含めまして、引き続き今御答弁いただいたような内容の啓発というものを分かりやすく丁寧に情報提供するといったことが、大きく今後の展開に結びつくというふうに考えます。 マイナンバーカードの普及促進について取り上げさせていただきました。今回、こういった内容で私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○議長(井坪隆君) 以上で、宮脇邦彦君の一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     11時28分 休憩-----------------------------------     11時35分 再開 ○議長(井坪隆君) それでは、休憩を閉じ、会議を再開いたします。 次の一般質問を行います。 熊谷泰人君。 △熊谷泰人 ◆18番(熊谷泰人君) こんにちは。新政いいだ、熊谷泰人でございます。 今回の質問は、先日、全員協議会において示されましたアリーナ機能を中心とした複合施設整備に向けた検討資料について、広域連合の基本的考え方や飯田市の基本的考え方を伺ってまいりたいというふうに思います。 検討資料の中では、ターゲットとして施設の規模を国体及び高体連レベルとし、メインアリーナ1,900平米程度、サブアリーナ700から800平米程度、観客数1,000席程度とし、ここにしかない希少性、地域外への訴求力、地域外からの求心力などが示されました。やっと具体的な状況が見えてきたのかなというふうに安堵しているところでございますけれども、たたき台という説明もありましたので、これまでの経過等を踏まえながら、議論をさせていただければというふうに思います。 南信州広域連合がこれまで進めてきた経過を少し整理してみますと、平成27年広域連合第4次基本構想の中で、複合施設の必要性をうたい、平成29年には広域連合に対し、下伊那郡、飯田市体育協会から2万5,000人を超える署名とともに要望書が提出をされました。同年、広域連合長及び広域連合議会議長連名で、県知事宛てに県的整備を求めた要望書を提出しております。その後は広域連合での協議に委ねられ、広域連合ではコンサルタントへの調査依頼委託や、設置場所候補の要望調査などを進め、コロナの感染症により一時停滞をしたものの、このたびの検討資料作成へと進んできたというふうに理解しております。 県知事宛てに要望書を提出した当時の平成29年12月20付の地元新聞記事を掘り起こしてみましたら、体育協会の要望では、災害時の避難拠点のほか、コンサートなどのイベントにも対応できる施設を望んでいる。規模や機能などの具体像は、今後の検討に委ねつつ、少なくとも1万人規模の観客が収容できる施設としてほしいと求めたとあり、牧野連合長は2万5,000人を超える郡市民の思いはしっかりと受け止め、広域連合として県などと一緒に検討を進めていくと話したとの記載がございました。その後、長野県とどのような検討をされたのかは分かりませんけれども、郡市民の2万5,000人の思いは、この施設を基盤に、リニア開通後、全国、世界から人の流れをつくり、スポーツや文化国流を通して地域活性化に結びつけたいとの強い思いがあったと思います。 これまでの経過を簡単に申し上げましたが、質問に入らせていただきます。 まず、南信州広域連合が進めてきたアリーナ機能を中心とした複合施設整備事業の基本的考え方について、方向性やコンセプト、そしてイメージなどについて、簡単で結構ですので御説明をお願いいたします。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 塚平総合政策部長。 ◎総合政策部長兼IIDAブランド推進課長(塚平賢志君) コンセプトを簡単にということでございます。 令和2年2月の広域連合の基本的考え方を改めて御紹介しますと、この地域で暮らすことを自慢したくなる「誇りや自信を創造する」、また国内外から訪れたくなる「価値を発信・創造する」、それから「民間事業者の参画を積極的に追求する」という方向性で、1か所完結型ではなく、「圏域内外の施設と連携して一体として方向性を実現する」ベースキャンプといったものをコンセプトとして整理しております。 イメージでございますが、青少年がプロスポーツに触れ、各種スポーツを本格的に学べるような地域クラブチームの拠点、リニアの利便性を生かして、首都圏からプロの指導者が訪れ、時には大規模なスポーツ大会やイベント・コンサートなどの開催できるアリーナ機能を中心とする複合施設として、エス・バードや飯田文化会館などのほかの施設と連携していくと、こんなようにまとめております。 ○議長(井坪隆君) 熊谷泰人君。 ◆18番(熊谷泰人君) そうですね、施設の規模にきましては、プロスポーツ等の競合を中心とする、見る場所としてのメインアリーナ、それから地域住民等がスポーツを行う、する場所としてのサブアリーナを基本に位置づけ、身の丈に合った施設として、過剰な規模としないことを前提とするというようなことも広域連合議会の全協の中でも説明をされております。 そこで、これまで市が検討を進めてこられました飯田市の基本的考え方について伺ってまいりたいと思いますけれども、資料では新しい時代に即したアリーナ整備に向けた飯田市の考え方として、令和2年2月以降の地域経済社会の変化を捉え、リニア開通後の新しい時代にマッチしたアリーナ施設の在り方を検討したというふうにありました。リニア開通後は5年以上先になるわけですけれども、その5年、10年先の新しい時代をどのように見て、どのような飯田市を想像してマッチをさせるのか、基本的な考えとか、重要なポイントとなると思いますけれども、いかがでしょうか、伺います。 ○議長(井坪隆君) 塚平総合政策部長。 ◎総合政策部長兼IIDAブランド推進課長(塚平賢志君) 私のほうからは、全般的なお話をしたいと思いますが、このたび、飯田市のまとめた検討資料でございますけれども、新型コロナウイルス感染症による価値観や行動の変化、それから大学の新学部の誘致活動の展開、またリニア開通効果を地域振興に生かすビジョン、これはビジョンも同時に策定をしてきたわけでございますけど、こういった地域の経済社会に少なからず状況変化があったということを捉えまして、今後、南信州広域連合で検討していただくためのいわゆるたたき台ということでお示しをしたものでございます。 リニア開通後の新しい時代にということでございますけれども、広域連合が基本的な考え方で示したように、外から人を呼び込むイベントや大会を開催することで、交流人口を拡大していこうとか、地域経済の活性化につながるような場所として、安定的に運営されるということは理想でございますが、新型コロナウイルス感染症の拡大などを踏まえますと、そのような事業を展開しようとする民間事業者が現れるか、もともと調査の中では相当厳しい状況がベースにありまして、さらに不透明な状況になっていると、これは言わざるを得ないと思っております。 こういった状況を踏まえまして、スポーツ関係の皆様方や、広く郡市民の皆様がスポーツに親しむことができて、生活の質を自分事として向上できる、実感できるスポーツアリーナとして、地域外から人を呼び込むということよりも、圏域のスポーツ文化の醸成ということを基軸として、より実現可能性を見た提案とさせていただいたというふうに思っております。以上です。 ○議長(井坪隆君) 熊谷泰人君。 ◆18番(熊谷泰人君) コロナ禍で地方へ人を呼び込むことは、非常に困難になってきたというような状況を踏まえたというお話もありました。 イベントやなんかを開催して、大都市からの合流を行うのではなくて、地域住民のスポーツに対するというようなお話でしたけれども、コロナ、これいつまでも続くとは思えませんし、当然その5年、10年先には大きな変化があると思いますので、少しその辺はちょっと違うのかなと感じておるところでございますけれども、もう一つ、広域連合が調査業務を委託した三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の平成31年3月の報告書によりますと、その施設規模、それから収容人数を固定席を3,000、可動席を2,000を想定して検討を行われてきております。市のターゲットとしている施設は、規模、客席数を1,000席というふうにしているわけですけれども、その考え方についてお伺いしたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 客席数は目安ではありますけれども、1,000席とした考え方ということで御質問いただきましたけれども、今回の提案につきましては、先ほど総合政策部長が申し上げましたとおり、地域外から人を呼び込む、こういったことを重視して、大規模なイベントやコンサート、あるいはコンベンションを開催できたり、あるいはプロリーグの公式戦を開催することを重視した施設、こういったことではなくて、むしろ軸足を郡市民の皆さんがスポーツに親しむことができて、生活の質を実感できる、またスポーツアリーナとしての機能を重視をしたということでありますので、南信州広域連合から提案をされた一つのたたき台というものからすると、こちらは「する」と「見る」というのを意識した部分はありましたけれども、飯田市からの提案というのは決して「見る」を否定しているわけではないですけれども、その軸をより地域密着型の、郡市民の皆さんのための、生活の質の向上のための施設というところに軸を置いて考えております。 しかしながら、現在の圏域内では、実際には今、高校総体、インターハイのバスケット、バレー等の大会ですとか、あるいは国体レベルの競技ができる会場がないということは、これは数年来の大きな課題でございましたので、これについては、県内等の実例から、こういった競技大会を開催できる規模とすると、基本的な規模として、固定席1,000席というのは大体導き出されましたので、これを一つの目安として御提案申し上げたということでございます。 ○議長(井坪隆君) 熊谷泰人君。 ◆18番(熊谷泰人君) 1,000席としての考え方は分かりました。 もう一つ、広域連合の基本的な考え方の中には、子供、青少年がプロスポーツに触れ、各種スポーツを本格的に学べるようなクラブチームの拠点となる施設というふうにも書いてあるわけですけれども、今バスケのBリーグやバレーのVリーグでは、5,000席が1部リーグ参戦の条件というふうになっておるわけで、7年ほど前にそれのチャレンジリーグの2部からスタートした、プロ的には高森と鼎体育館を一つの練習の拠点としていたそのVC長野トライデンツ、これは1部に昇格してから当然、鼎体育館や高森ではできないので、拠点を南箕輪に移して、今Vリーグの最高峰でありますV1リーグに所属をして戦っているわけですけれども、ここにある程度の規模のアリーナがあれば、トライデンツも今は飯田を拠点として戦っていたんじゃないかなというふうに思うわけでございます。 広域連合の考え方の中に、一つ身の丈に合った施設として過剰な規模としないことを前提とするというようなことがありましたので、これまで1,000席という規模の状況から見て、身の丈に合ったということを、このことをいうのかどうか、この辺をちょっとお聞きしたいんですけれども。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 身の丈に合った施設、この表現につきましては、南信州広域連合が令和2年2月に、先ほど議員のほうからも御説明がございました。アリーナ機能を中心とする複合施設整備検討事業の基本的な考え方という中で記載がされた文言でございます。これは今後の取組の留意点ということで、施設規模が過剰な規模にならないことを前提とするということが補足的に付記をされていますので、ここが意味するところは、ただいま申し上げたようなことだというふうに認識をしております。 今回の提案については、先ほど来、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による人の価値観や人々の行動、動き、交流の在り方というのが大きく変化をして、地域経済、社会状況の大きな変容が起きているということでありまして、これについては飯田市からの提案とすると、先ほどのような交流軸も持っていきますけれども、地域軸、スポーツ振興という、スポーツ文化の醸成という地域軸を持ちながら「する」という部分も重視をした提案をさせていただいたということでありまして、特にその中でやはりその実現の可能性ということもこの提案の中では盛り込みをしていきたいということでございましたので、そういったことも含めて、考えて御提案を申し上げたものでございます。 ○議長(井坪隆君) 熊谷泰人君。 ◆18番(熊谷泰人君) 情勢が変わってきているということを何度もお聞きするわけですけれども、先ほども地域外への訴求力とかそういうことについては、今は少し考えていないんだというようなお話のように受け止められるんですけれども、そうはいっても、現在、南信州圏域の人口は15万、それから上伊那まで含めれば23万人という人口が暮らしているわけですけれども、それからリニア開通後には長野県の南の玄関口として発展をしていこうとしているこの10年、20年先を見ても、やはり少し規模的に考えても小さいんではないかなと感じているところでございます。 そこで、当初、リニア開通効果を地域振興に生かすビジョンというか、この間説明されたリニア開通の効果を地域振興に生かすビジョンという中では、交流中心の中にこの施設を位置づけて、ターゲットとして国体や高体連レベル特化型として、地域外への訴求力のある機能ということをうたっているわけですけれども、やはりこのアリーナに地域外の人にアピールできる、魅力がある機能というのはどこにあるのか伺いたいのですけれども。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 提案をさせていただいた中での対外的な訴求力ということでありますけれども、これについては、やはりリニア開通というこの地域の大きな、劇的な地域変容が起こってくるということで、そうしますと、これは申すまでなく、東京、名古屋の大都市圏に時間的距離からするともう1時間足らずで到着できるということで、移動圏域とすると生活、いろんな市民の皆さんの活動圏域としても、そういった大都市圏が含まれてくるということでありますけれども、そういったところにはもう数万人規模の施設が軒並み軒を並べて競争をしておるということで、その中で誘客の誘致活動もしているというような状況になります。 そういう同じ土俵で特徴出しをしていくのかどうかというところもありまして、今回の提案の中では、特に着目をしたのは、今、共生社会または多様性を享受できる社会ということが、まさに一つの社会的な課題になっていますので、一つのこの提案としては、パラスポーツをしっかりと競技環境をつくるということで、構造的にはそういう施しをしながらしていくということになろうかと思いますけれども、それを一つの、今回をこの地域に整備をする施設の特徴としてはいかがかという、これは一つの飯田市からの提案ということで整理をさせていただいているものでございます。 ○議長(井坪隆君) 熊谷泰人君。 ◆18番(熊谷泰人君) 大都市、東京や名古屋には大きな規模の施設が幾らでもあると、だから今、飯田市に住んでいる子供たちはそういうところへ見に行けるんだから、見に行ったらどうだというような考え方も含まれているということだったように受け取れましたけれども、リニアが開通しても時間的な距離は短くなりますけれども、やっぱりそこにはお金がかかる、東京に行くのには幾らになるか分かりませんけれども、1万円近い交通費がかかるとすれば、往復、例えば子供が3人いて、家族で連れていこうと思えば、これもう往復を考えれば、チケット代も含めて10万円の出費ぐらいの費用がかかってしまう。ここに年間に1回でも2回でもそういうプロの試合ができる施設があれば、子供たちはそこでプロに触れることもできるということも考えられますので、少し東京と名古屋が近くなるからといって、決して常に子供たちが行って見れるというふうにはならないというふうに私は考えます。 それから、パラスポーツというお話がありましたけれども、この体育館でパラスポーツ、どのようなスポーツを想定しているのかも分かりませんけれども、パラスポーツに特化するというような形のものであれば、それはそれなりの引きつけることがあるのかもしれませんが、また何を、どのようなスポーツを考えているのかを、またちょっと後でお聞きしたいと思いますけれども、これまで市の基本的考え方を伺ってきましたけれども、いわゆるターゲットとして示された施設から見ても、やはりこれまでスポーツ協会、それから2万5,000人の超える署名を集めた当時の皆さんが望んでいるものとは随分違うようなふうに思われます。 安曇野や塩尻を一つのターゲットにしているようですけれども、近隣の松本に今7,000人規模の入る大きなアリーナがあるわけで、安曇野辺りはサブ的な体育館として整備されているというふうに思われますね。特に2028年の長野国体では、6人制のバレーを松本が行うわけですけれども、そのサブ的な施設として、安曇野のアリーナがあると。国体の開催規模がバレーは8面が必要、それからバスケも10面が必要ということで、1つの施設だととてもできないので、こういうふうになっているというように思います。 スポーツ庁が平成28年11月の16日に公表したスタジアム・アリーナ改革指針の中に、このような記載があります。 これまで我が国のスポーツは、教育的側面に重点が置かれていたこともあり、成長産業になり得るものとしての認知が低かったとの指摘がある。しかし、モノからコトへという経済価値の転換に沿った形で、従来の教育的側面に加えた新たな産業としてスポーツの重要性が高まっている。地域における産業としてのスポーツは、小売、興行、建設、旅行、放送・新聞等、地域経済の様々な分野を活性化する可能性があり、スタジアム・アリーナはそのために必要な基盤であるというふうにスポーツ庁でもうたっております。 そこで、4番目のリニア開通後の交流人口・関係人口の拡大や、若者定住促進には地域スポーツの向上だけでなく、プロスポーツやコンサートなど「見る」ためのアリーナの機能を充実させた複合施設が必要と考えますが、いかがか伺います。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 見るためのアリーナが必要ということで、今御質問いただきましたけれども、先ほどの説明の中で特徴出しの部分でちょっと誤解を生じてしまった、私の説明が十分でなかったんですけれども、先ほど大都市圏には数万を超えるような客席数を持つ多くの施設がひしめき合っているということで、そういったところは、やっぱりそこの中の足を運んでいただく方をどのように獲得していくか、しのぎを削って大競争が行われているということですけれども、その中で、やはりこの地域の15万5,000という圏域の中で、大きな客席数を持った規模の大きな施設を造っていくときには、もうその時点でこの地域の、圏域の皆さんが利用をするだけでは、そこでは経営としても、運営としても成り立っていかないということなので、それはおのずと大都市圏から多くの方を引き込んでくる、引っ張ってくるということがあるということで、そういったところでは同じ競争原理の中にさらされるというのは、そういう意味で申し上げたので、そこのところをちょっと誤解を生じてしまいましたので、おわびをさせていただきます。 あと、プロスポーツでありますけれども、これは実際には、そこをホームアリーナとするチームをつくるということまで志向していくということが、大規模な施設を施行していくときの大きな課題になってきていますけれども、そういったものは、新たに生まれれば、それはよりよいんですけれども、そういったところまで想定して含み込んでやっていくということを考えていくのかどうなのかということがあるんだろうなと思います。 それと、見るとするって、これは100かゼロかということは決してないわけでありまして、することを重視をするのか、そこにその補足的に見るということを付加価値としてつけていくのかということと、あるいは、すると見るというのはパラレルで捉えて、それは両方ともしっかりと同じように50・50で両立させるのかと、そういうバランスの問題ですので、今回飯田市からの提案として申し上げたのは、地域軸で、地域のスポーツ文化の振興ということを主体にして、そこで南信州圏域の方が愛着を持って使いたいときに使っていただける、極めて低廉な料金設定の中で使っていただける、そういう環境を整えて、時にプロスポーツのオフシーズンマッチになるか、公式戦になるかですけれども、そういったものを年に数回は観覧をできたり、幾つかの催事的なものにも若干使えていくというような、そんなようなウエートを持った施設として提案をさせていただいたものであります。 ○議長(井坪隆君) 熊谷泰人君。 ◆18番(熊谷泰人君) これまでの市の考え方をお聞きしていますと、地域スポーツ密着、地域に密着ということで、地域を考えているというように捉えました。確かに今、飯田市のスポーツ環境は劣悪な状況にあるわけで、地域内のスポーツ振興が中心に考えているんでしたら、これまでスポーツ協会をはじめ、各種団体から何年にもわたって、それぞれの施設の改善要望が出されてきているわけです。特にサッカー、ラグビーの団体からはグラウンドの芝生化ですとか、テニスの協会からは夜間照明化、それからバレー、バスケットからは鼎体育館とか、存体育館の改修などをずうっと要望が出されてきている。これらについて、きちんと整備されておれば、今このアリーナを造る必要もなくて、ちょっと考え方が違うのかなというふうに見ているところであります。とにかく一向に改善されていないこの施設の改修については、来年度予算でもほとんど組み込まれておりませんし、今回の中で庁舎建設基金、これの残りが18億円あったわけですけれども、その18億円を公共施設の整備基金のほうに積み替えたわけですが、この基金の半分でも使えば、1年で解決してしまうんですね。今までの芝生化ですとか、テニスの夜間照明、それから鼎体育館の改修を含めて、この基金を半分でも回して1年でも整備しておれば、このアリーナにこの機能を付け加えるというのではなくて、アリーナはアリーナ施設としての機能をやはり求めた施設にすべきだというふうに考えるわけです。 今、参与おっしゃいましたけれども、それぞれの施設の目的が当然あると思うんですけれども、一般社団法人のスポーツ都市協議会というのが出版しているアリーナ標準という本があるんですけれども、その中には、施設の目的がスポーツをするものを体育館と、それからスポーツを見る機能を備えているのをアリーナと呼び、コミュニティーの中心としてアリーナを考える際には、必ずスポーツを見る、スポーツを支えるという視点が必要になってくるというふうにうたっております。 アリーナとは、そもそもスポーツやコンサートなど見ることにウエートを置いた施設であって、そこには夢や希望が詰まっていると思うんですね。たたき台とはいえ、この観客席は広域で検討した3,000プラス2,000の5,000席をやはりターゲットとすべきというふうに考えるんですけれども、ここで市長に伺いたいんですけれども、当初、県の施設整備、要するに北信や中信、東信がオリンピックや何かで、県の施設としては相当な施設ができてきているわけですけれども、南信には全くない、リニアが開通する頃には南信にも、県的な大きな設備が必要じゃないかということで始まったと思っておるわけで、今後国に対してもそのような要望をしていって、郡市民の2万5,000人の署名の重さも考えながら、やはりここに大型アリーナをぜひ建設をお願いしたいというふうに思うんですけれども、市長の考えをお伺いしたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 広域連合からの宿題を飯田市として一旦返したという状況だと思っています。 広域連合の中では、相当な温度差があります。そもそもこういったものが要らないという方から、飯田市の提案では小さ過ぎるという方までいらっしゃいます。そういった状況で、ようやく議論のスタート台に立ったということだと思いますので、スポーツ協会の皆さんともしっかりと議論をしていきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 熊谷泰人君。 ◆18番(熊谷泰人君) 非常に温度差があってという、非常に連合長としては苦しい思いがあるかと思います。何としても郡市民の強い思いを受け止めていただいて、施設整備にお願いしたいというふうに思います。 以上で質問を終わります。 ○議長(井坪隆君) 以上で、熊谷泰人君の一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     12時05分 休憩-----------------------------------     13時00分 再開 ○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 佐々木博子さん。 △佐々木博子 ◆14番(佐々木博子君) 皆様、こんにちは。会派みらい、佐々木博子でございます。 本日の質問は、ともに創る新しいコミュニティーづくりについて、中心市街地、飯田市民には丘の上と親しまれる場所について焦点を絞ってお伺いいたします。 今ここにいらっしゃる皆様が、なぜここにいるのか、今までどんな人や場面と出会い、どんな言葉に心を動かされて今ここへたどり着いたのか、御自身の人生の流れと出会いを思い出しながら、ともに考えていただきたいと思います。 それでは、通告順に従い質問に入ります。 1.仮称、飯田駅前プラザに関してです。 創発エリアに関しては、昨日、小林議員、今日は関島議員からも質問がありました。ですので、私からは創発という概念に絞って、さらに問いを深めてまいりたいと思います。 創発という言葉はもともと物理学や生物学の用語で、まだ一般に浸透している言葉ではありません。ですので、分かっているようで分かっていない創発について、まず初めに、ここにいる皆さんと認識を共通にしたいと思っております。 私が創発という言葉を知ったのは今から24年前、私が当時勤めていた民間企業で経営戦略を担う同僚が教えてくれました。市長の同級生です。創発の性質を皆さんがふだん使っているくっつくメモ、付箋で説明いたします。付箋にはよくくっつくけれども簡単に剥がれるという不思議な接着剤が使われています。研究員は初めからわざわざ不思議な接着剤をつくろうとしていたわけではなく、強力な接着剤をつくる過程で偶然できた失敗作がよくくっつくけれども簡単に剥がれるという接着剤でした。その研究員は、失敗作だけれども、何かに使えないかと周囲の人に話して回りましたが、その使い道がないと数年間は放置されていたそうです。ところが数年後、違う研究員が本のしおりとして使えるのではないかとアイデアを思い立ち、後に世界中に革新、イノベーションを生む大ヒット製品になったというのが付箋の成り立ちです。 このエピソードのように偶然できた失敗作などの負の要因をひらめきによって新たな価値へつなげ、市場や社会へ大きな影響をもたらすこのプロセスを民間の経営戦略では創発型戦略といいます。 では、この創発エリアにおいて、なぜつながりや創造などではなく、創発という言葉を使ったのか、私が知っている民間マネジメントや戦略における創発と、今回の創発の意味が同じなのかの確認も含め、創発という言葉を使った意図、そこに込められたお考えについてお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 私自身が創発という言葉に巡り会ったのは、実は飯田市に赴任した後でありまして、せいぜい10年前ということであります。したがいまして、今から申し上げることが、どれほどの深みがあるのかということは、やや心もとないところがありますが、今回、飯田駅前プラザの公共空間を創発エリアとしたその意図、考えということでありますけれども、創発という言葉を個々人やそれぞれ別々の機能を本来持っているものが集まったときに予測がつかなかったこと、あるいは計画や意図を超えたこと、そういったイノベーションが起こるということを想定して使っています。 今回飯田駅前プラザには、これまでの質問のやり取りでも確認いただいているように、様々な機能がそこに共存するということになります。そういった機能を共存させて連動させる、またそれに伴って、多様な人々が集まって交流する、そこでいろいろな交流が起こり、新たな活動がそこに生まれてくる、そういうことを意図して創発という言葉を使っております。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 今の答弁でいろんなつながり、連携などによって生まれてくるものだということをお伺いしました。 創発というのは、私個人の考えですけれども、自分の外側にあるものではないと私は思っています。自分の内側から芽生えてくる、人との出会い、物との出会いによって創発は生まれてくる、ただそれを誰もが自覚できていない、自覚できないものだとは私は思っています。自分の内側にある創発をどう感じて、それを周囲の人に波及させていくか、そのことについて、次の質問でさらに問いを深めていきたいと思っています。 次の質問に移ります。 創発に必要なものを考えたときに、偶然をキャッチする感受性、何の変哲もない事象から意味を見いだす洞察力や柔軟性、そして新しい価値へとつなげる発想力、加えて新しい何かを求める好奇心や行動力も必要になるかもしれません。しかし、それらはあくまでも当事者の内面から萌芽する、芽吹くものであって、外部からの作為でコントロールできるものではないと私は考えております。 禅の言葉に卒啄同時、同機とも言いますけれども、という言葉があります。これは多く、教育の世界で使われている言葉です。鳥のひなが卵の中から生まれ出ようと卵の殻を内側からつついたときに、それを聞きつけた親鳥がすかさず外からついばんでひなが殻を破る手助けをすることを意味します。創発コーディネーターの役割として、このような資質が非常に重要になると私は考えますが、創発コーディネーターをどのように活用していくかお伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 創発コーディネーターをどのように活用していくかという御質問で、今の佐々木議員がるる創発の考え方ですとか思いを御説明いただきましたけれども、まさに近いところですけれども、より一層の深堀りをされて、いろんな気づきをいただいたということでありがとうございました。 この創発エリアですけれども、ここにはいろんな皆さんが集まってきていただきたいなという強い思いがありますけれども、その中にはあらかじめ課題意識や明確な目的意識を持って見える方もいるでしょう。ムトスの活動をされている実践団体の構成員の皆さんとか、そういった方も来るでしょうけれども、そういった皆さんに対しては、これは直感にもよるんですけれども、この人とこの人、もし出会って話をしていたときには、何か違う価値が生まれたり、活動、行動が起きてくるかもしれんなと、これ直感的なものですけれども、そういったものを捉えて、そういう活動をされている方であっても結びつける、その中によって触媒効果というか、そういったものを完成として見いだしていくというのは、コーディネートしていくということはあるでしょうし、また中には、日常生活には何かありきたりな生活をしているんだけれども、満足ができずに何かしたい、地域に何か関わりたいという思いを持って、ぼやっと意識だけを持ってくる方もおいでになりますけれども、そういった方々に対しては、いろんな相談、やり取りの中で、あるいは先ほど既に実践、活動されている、課題意識を強くお持ちの方とお話をいただくようなコーディネートというか引き合わせをして、その中で課題意識が明確になり、それが人と交わることによって行動につながっていくというような、そういうようなことが起きてくるといいなと思っています。 特に高校生世代を一つの重点ターゲットとしていますけれども、高校生の中にもそういう思考を色濃く持っている子供たちが、今の探求学習ですとか、地域人教育等々の学びの中でいますので、そういった子供たちの潜在的な意欲や思いというものを捉えて、それを引き出しながら、つなげながら、高校生の活動に起きてくるような働きかけをしていくと。まさに創発コーディネーターというのは、例えばでありますけれども、そんなような役割を担う人材として、ここで機能を果たしてほしいなと思っています。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) この点について、コーディネーターの在り方として、もう少しちょっとお伺いしたいと思います。 高校生の潜在的意欲、思いを引き出す、つなげるという答弁をいただきましたけれども、教育とか人事の世界においては、人間関係について縦の関係、横の関係、斜めの関係という表現をされることがあります。縦の関係というのは、教師とか親子の上下関係、横の関係というのは友人などの対等な関係、あと最後は斜めの関係というのは世代を超えた先輩、後輩の関係を表現します。コーディネーターの在り方として、横の関係で精神的安全性を担保しながらも、斜めの関係として刺激を与え合うような関係が必要だと、私はそういう点が必要だと思いますけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) ちょっと内面心理にまで深く入っていくお話ですので、正確に共有できたかどうかは、むしろできましたということは失礼のような今のお話でしたけれども、考え方としたり、創発コーディネーターを中心として創発を起こすということに対しては、今おっしゃっていたようなことが極めて重要だと、そこは共通の認識をさせていただきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 共通の認識と、皆さんが共有して共通として認識されていることは非常に心強いことだと思っております。 次の質問に移ります。 ある場所があって、あなたはなぜそこへ行くのかと問われたときに、多くの人は用事があるからと答えると思います。では、その用事とは一体何なのでしょうか。昨日の答弁でも、公民館機能に加え、市民の多様なまちづくりを支援・推進する機能を併設するとありました。それぞれの機能を目的として創発エリアへ行く、それが用事があるということだと思います。しかし、それらの機能を利用目的とするならば、利用者は目的を果たすだけの限定されたものになる可能性が高いと私は感じております。だからといって、私の印象では、やみくもに利用者を増やすだけのようなイベントを仕掛ければいいとも思えません。もし、創発の場としての機能をもっと深く期待するのであれば、先ほどの宮脇議員のカフェの事例もありましたけれども、目的がなくても居心地がいいから行ってみたい場所、何となく行ってみたら面白い出会いがある場所であることが私は理想だと考えています。 創発は設計することも、組み立てることも、制御することも、管理することもできません。それらを超えたところにあるものが創発だと私は考えています。創発と言葉にすることは簡単ですけれども、それを具現化することは簡単なことではないと私は思っています。簡単なことではないけれども、そこには大きな可能性がある。具現化することができれば、その可能性は丘の上だけではなく飯田市全体に、飯田市の未来に影響を及ぼす大きな可能性があると私は強く感じております。可能性を可能性のままで終わらせないためにも、今後、創発エリアの利用者をどう増やしていくかお伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 利用者をどう増やしていくかということでありますけれども、これについては、佐々木議員さんが今おっしゃっていただいたとおり、そこが極めて居心地のいい空間であって、そこに行くと何かいろんな思いを共有できたり、違う価値観を持った方とお話ができたり、コミュニケーションができて、その中で自分なりの気づきが生まれるという、そういう場所だということを多くの市民の皆さんが感覚的に感じ取っていただくという、そういう環境をつくっていくことだと思いますけれども、それはやはり一足飛びにできることではないので、その初動段階としては、やはりここに関わっていただく、今、市民ワークショップも構成員の皆さん、いろんな対応の皆さんがこの場所を使って初動としてどういう取組ができるかということを、いろんな形で検討いただいていますけれども、それぞれのテーマ、分野、世代を超えて、そういう取組は、まずは初動としては、そこに創発コーディネーターや行政職員も創発コーディネーターとしての役割意識を認識しながら関わっていくということで、そういう動きを起こしていくと。そこに、そういった初動で動かした動きによって、人が集まってきたときに、そこを感覚的に先ほど言ったような場所だというような捉えをしていただいて、そういう捉えをしていただいた方々が生まれてきて、さらに具体の目に見える形として、こういう活動がこの場所で起きた、ここに来たことによってこういう内面的な変容が起きたということが顕在化してきたときには、そういった一つ一つの事例について、PRというか情報発信をしていく、それによってそこに情報をキャッチした方がまたそこに行きたくなって寄ってくるというか、そんなようなことを考えていきたいと思います。 最終的には、行政やコーディネーターは恣意的に何かをするという場所ではなくて、そこに集まってきた方が自主的にムトスの心意気、思いによって結びついて沸々と活動が起こってくる、そういうような状態になっていくということが究極の目的というか理想だなというふうに考えて、そういったところを目指して取り組んでいきたいなと思っております。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 私自身も丘の上、もちろん丘の上以外の方とも関わっていて、居場所、新しいものを自分が生かせる場所、そして何か気づきが得られる場所、人とコミュニケーションしたいという本能を、気持ちを持っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃる、理想とする創発の場が具現化するような状況において、そういうところへ行きたい、参加したいと思われる潜在的な利用者のニーズも含めですけれども、潜在的な利用者というのはたくさんいらっしゃると思います。そういう方々をいかにそこへ招き入れていくか、そういう招き入れていくような仕組みを今後も考えて取り組んでいただきたいと思います。 次の質問に移ります。 中心市街地の食料品スーパーに関してです。 先日、中心市街地に唯一あった食料品スーパーが今月末をもって閉店することが発表されました。去年12月には店舗閉店の方針を知った地域住民が存続を願い、2,800名余の署名が集まり、続いて、存続のために少しでも売上げアップに貢献しようと、毎週1,000円程度のお買物金額を増やしましょうと声がけするチラシが橋南、橋北地区にまちづくり委員会により配付されました。当該店舗の利用者は、一般の地域住民だけでなく、立地が中心市街地ということで周辺飲食店の業務用販売も行っており、その売上げが今般のコロナ禍の影響で激減してしまったことも閉店の要因になっていると聞いております。コロナ禍による売上げ減少による店舗閉店や事業撤退は、この食料品スーパーだけではありません。 市内には、ほかにもたくさんの閉鎖された、閉店された商店があります。経営者の皆さんは、このコロナ禍の中で本当に苦悩していらっしゃる、私も経営者をしている友人がたくさんおります。事業の種類や規模は違えども、私の知っている経営者たちは皆、働いてくれる人たちの生活を守ることを第一に考えています。雇用者として、守るものは働く人たちの生活と考えて、皆知恵を絞り、身を粉にして働いております。当該店舗の閉鎖も、ほかの多くの閉店された商店の方も、経営判断としては非常に苦渋の決断をされたと私は感じておりますけれども、中心市街地の食料品スーパーが閉店することについて、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この3月1日にキラヤ本町店が閉店されるということが報道でも発表されました。この株式会社キラヤさんは、地元に密着した食料品スーパーとして飯田下伊那に複数の店舗を構え、地域の暮らしを支え、雇用の場の提供や経済循環など、重要な役割を担っている企業だと認識しております。 今般、会社経営をする上での判断ということで致し方ない部分もあると思いますが、この本町店の撤退については残念に思っております。 この再開発ビルのオープン時から長きにわたり、中心市街地の買物機能を支えてきてくださった株式会社キラヤさんには感謝を申し上げたいと存じます。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 市としても非常に残念に思っているということをお伺いいたしました。 今回の一般質問は、この丘の上の女性たちが何とかしてほしいという声が私の元に届いて、そこからきっかけでこの一般質問になりました。すぐに何とかすることはできないとしても、何らかの解決を見いだすことを考えて、さらに私も一緒に考えていきたいと思います。 次の質問に移ります。 当該店舗の閉店が正式発表される前から、そこを利用していた周辺住民、それも運転免許を持たない高齢者の方から私の元に何とかしてほしいという声が届いております。中山間地に比べれば、まだまだ近隣に幾らでも買物のできる場所がある、丘の上ならタクシーやバスが気軽に使えるではないかという御意見もあるかもしれませんけれども、距離や場所のいかんに関わらず、買物に不自由する住民への支援は全市的に共通する課題だと考えておりますが、買物に不自由する不安を抱える地域住民に対してどのように考えているかお伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この生活をする上で買物という機能、買物というのは必要な機能であると認識しております。 これまで橋南まちづくり委員会をはじめ、買物に不自由な方への対応について要望をいただいているところでございます。 今回のこの買物に当たっては、まちなかのお店の御利用や市内循環バス、これ1時間に1本運行していますけど、こういったものを御利用いただくそういう方法、それからキラヤさんのほうでも新たに宅配サービスを充実させるということも伺っております。このほかにも宅配サービスを実施する事業者があるので、そうした事業者の御利用を促していきたいと思います。 今も、この買物弱者というものの全市的な視点を持ってというようなお話がございました。確かに中心市街地に限らず、全市的な課題と言えることだと思います。この買物という生活の基本的な行為について、近くにお店があることが一番でございますが、過去を振り返れば、大型店の出店により消費者の買物行動が変化し、結果として各地区においても商店がなくなってきていると、こういう経過。それから、今ではインターネットを使った買い物など、この物流の新しい変化がさらに始まってきていると、こういう状況だと思います。 そういう中にあって、この全市的な視点で見たときにも、まさに買物弱者の問題は福祉の視点、公共交通の視点はじめ、地域の課題でもあって、いろんな方法や手段でないと対話ができないなというふうに感じております。特に高齢世帯にあっては、子供さんが買って届けたり、子供さんに乗せていってもらったりという例や、知り合いや友人が乗せていってくれておるにというようなお話とか、地区によっては宅配してくれる店のリストを入れたチラシを各戸に配付していると、そういったチラシを私も見たことがございます。 それでも及ばないというケースがもしあるとすれば、これまた別の次元で検討する必要もあるものだと思いますけれども、最近テレビで経済番組なんかを見ていても、都市部では店側が客に近づくという動きも出てきているように見受けられます。以前にもこういうことがあった動きですけど、また改めてといいますか、また本格的にといいますか、そういった動きも始まっているようですので、そんな事例を紹介されているものを見ながら、いろんな方法を考え、地域の皆さんと共に進めていきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 丘の上に限らず、私の母も運転免許がありませんので、買物に行く際は必ず私が一緒に行きます。バス停で重い荷物を持って待っている高齢者の方を見ると、あれが自分の母だったらと思うと胸が締めつけられるような思いになります。 この点については、今後も関係各所、皆さん、御協力いただいて、支援を考えていただきたいと思います。 次の質問に入ります。 以前、私が飯田市中央図書館近くを歩いていたとき、この辺りに食べるものを買える店はないかと声をかけられたことがありました。その方は図書館近くの旅館に宿泊していた観光客の方だったのですが、旅館でのお食事を頼まず、どこかで食べるものを買ってお部屋で食事をするつもりだったそうです。ですので、私は丘の上に唯一あったその店舗へ御案内したことがあります。このように、今回の閉店は周辺地域住民への影響だけでなく、周辺の商業店舗や、また丘の上を訪れる観光客の利便性に関係してくると考えています。食料品が買える店舗はまちの機能としても重要な役割を果たしており、その重要な機能を失うことはまちのにぎわいやまちの価値にも影響を及ぼすと考えますけれども、中心市街地のにぎわい創出に対する影響についてどのように考えるかお伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 今回の閉店でまちに必要な機能を一部失うということで、居住者はもちろん、来飯者の皆さんにも多少なり影響があるということで、にぎわい創出に対しても影響があるというふうに受け止めております。 このにぎわいの創出というのは、非常に大変難しいことというか、簡単ではないことでございまして、跡地の利用だけで、そこだけでできるものではないと思います。ですので、跡地の利用を考えていく中でも、そういった跡地活用を契機として周辺の飲食店や小売店などと連携したというか、一体化した面的なにぎわいをどうやって創出できるかということも併せ、先ほども創発という話が出ていましたけど、考えてまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 面と点のにぎわいは、常に影響を及ぼし合って相互関係にあると私も考えております。今後も一体的な支援をよろしくお願いいたします。 次の質問に入ります。 当該店舗のある施設の上階には、市の地域交流センター、りんご庁舎、お向かいには川本喜八郎人形美術館、ほかにも重要な機関が歩いていける範囲で四方にある、まさに中心市街地の核となるような場所だと感じています。今回の閉店で最高の立地にあるこのスペースが眠ってしまうのは非常にもったいない。地域住民の要望も踏まえながら、次の活用方法を考えていただきたいと思います。施設管理会社との連携をどのように考えているかも含めて、食料品スーパーが閉店した後の空き施設への市への関わりはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) まさにトップヒルズのビルのことでございますけれど、1階は今回空き店舗となってしまいますけれど、このトップヒルズ本町には、2階、3階には公共床として市のりんご庁舎が以前から入ってございますけれど、今回3階には橋南公民館や橋南児童クラブなど、新たな機能が加わり、それによって新しい人の流れが生まれる場所として5月開館予定で準備を進めているところでございます。 こういう好条件というか、今までと違ったいい話もございますので、これを含めて施設管理者である飯田まちづくりカンパニーは、飯田市街地の課題において、実際に事業展開をされているまちづくりの総合支援会社でございます。このまちカンと一緒になって、まちカンの持つ専門的な知識も伺いながら、次の事業展開を共に考えてまいりたいと思っております。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 今回の件に関しては、関係する全ての人が最善を尽くし考え抜いた結果だと私は考えております。決して我が身のために誰かをないがしろにしようとして起きた結果ではないと思っています。 ある決断に対して、他者がもっとやれることはあったはずだと言うことは簡単です。けれども、大切なのは、起きた結果に対して自分が何をするかを考え、できることを模索し、行動することだと私はいつも考えています。今後も、関係者の皆さんと共に知恵を出し合って対応を考えていただきたいと思います。 次の質問に入ります。 中心市街地活性化に関してお伺いいたします。 私は現在、鼎に住んでおります。成人するまではJRの飯田駅近く、曙町に住んでおりました。子供の頃から買物や外食は家族で丘の上へ歩いて出かけました。丘の上に思い出がたくさんある者として、中心市街地が寂れてしまうのはさみしいという思いがあります。一方で、飯田市は広く、丘の上とは接点のない場所に住んでいる方も多くいらっしゃいます。そんな方にどうして中心市街地に投資をするのですかと問われても、私には説得力のある言葉がありませんでした。中心市街地を活性化させる目的をお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 丘の上という言葉に反発を覚える方も含めて、中心市街地の中心性については共有されているのではないかと私は思っています。かつての城下町であり、今でも丘のまちフェスティバルや獅子舞フェスティバルに代表されるように、お祭りをするなら中心市街地という認識については共有されているのではないかと思います。 その場がある程度のにぎわいと品格のあるたたずまい、寂れてしまってはという、この思いについては共有できるものだと思いますので、そういった意味で中心市街地をにぎわいと品格のあるまちとして活性化させていく、これが必要なことではないかと私が思っております。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) にぎわいと品格のあるまち、非常にすてきな言葉だと思います。 中心市街地の目的が、にぎわいと品格のあるまち、それをまた復活させていく、それはこの先の質問に関係してきますので、ちょっと先に置かせていただくとして、飯田市の顔であるということは間違いないと思います。 では、飯田市の顔である丘の上はどうあるべきか。人々の意識が変化し、もっと便利に、もっと豊かに人も環境も食い潰すような発展を追求した時代からSDGsのように持続可能な発展を目指す次のステージへ足を踏み入れた今、中心市街地の存在意義が何かという疑問が湧いてきますけれども、その前に、市の中心市街地活性化について現状はどのように認識しておりますでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 中心市街地の現状をどう捉えているかということですが、第2期飯田市中心市街地活性化基本計画までで取り組んできたりんご並木の整備、それからりんご並木を生かしたイベント、それから扇町公園、これ動物園をいいます。動物園の整備などにより、中心市街地に訪れる人々が増加したことは一定の成果だと認識しています。確かに昔のように買物といえば何でも中心市街地にあるとか、そういうこととは異なって商業機能は、先ほどの買物弱者のところでもお話ししましたように、以前よりは分散したり、大型店に流れているということは確かにございますが、いろんな形で訪れる人が増加しているということは一定の成果だと認識しています。 ただ、にぎわいが日常化するまでには至っておりません。また、コロナウイルスの影響もあって、飲食店や施設など、大勢集まることが制限されるなど、大きなダメージも今受けています。しかし、様々なソフト事業を展開してきた中で、地域の住民の皆さん、そこの地区の皆さんのみならず、飯田市内外のいろんな皆さんが集まって、まちのにぎわいをつくり、支えていくという人づくりの場が、この中心市街地やりんご並木を中心に、そこをステージとして生まれてきているということは、今後に向けての大きな成果であり、財産だと思っています。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) まちのにぎわいづくり、それを支えていく人づくりは切っても切れない関係だと私も思っております。 人の熱がまちの熱になっていく、それがにぎわいの創出なのかと思いますけれども、人の熱を上げることも、それをまちへ広げていくことも時間がかかります。これからも忍耐強く取り組んでいただきたいと思います。 次の質問に移ります。 今回の質問をするに当たって、ある方から、丘の上は晴れの場なんですよと教えていただきました。晴れの場の晴れとはどういうことでしょうか。晴れとは、お祭りや年中行事などを行う特別な日、非日常という意味があります。今のように自動車が普及していなかった時代は、電車やバスを乗り継いで飯田市の顔、中心市街地へ出かけること自体が非日常で、特別な晴れの日のことだったのかもしれません。しかし、晴れの特別の日だった丘の上は今、あの頃のにぎわいを失いつつあります。森羅万象、全ての物事には流転があります。人間が老いていくように、まちが衰退していく、それは自然の流れです。自然の流れからすれば、丘の上を数十年前のようなにぎわいに戻すことは逆に不自然な気もします。だからこそ、私たちがすべきことは、にぎわいを戻すのではなく、創発によって新しいまちをつくり、新しい価値を市民に提供することだと私は考えます。かつて特別な晴れの場であったことが丘の上の存在意義でした。時代の変化に加え、コロナ禍によって日々の生活や意識が激変した今、新しい時代、アフターコロナの丘の上の存在意義、そしてそこから生み出される価値も変化すべきときが来ていると私は考えますが、中心市街地を活性化することでどのような価値を市に生み出したいとお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 非常に深い問いかけであると思います。 今おっしゃられたように、昔のにぎわいを取り戻すということを目指すということではないんだと思います。一方で、中心市街地と呼ばれるエリアがかつて城下町として栄えてきた、経済と文化の中心として栄えてきた歴史がある、それから大火からの復興、まちづくり、りんご並木をシンボルとした市民力の象徴の地としての位置づけもありますし、公的な施設や文化的施設が集積しているという特徴もあります。かつて、岸田國士をして美しきまちとうたわせた、この品格とにぎわいのあるまちというのをどういう形で再生していくかということを一緒に考えていかなければいけないと思います。 先ほどSDGsという話もありましたけれども、例えば車がない、あるいはガソリン車がない、そういう空間をりんご並木を中心としてつくって、そこで歩く人中心のにぎわいをつくる、欧州、ヨーロッパなどではそういったまちがあって、そこで昼間からカフェのエリアでいろんな議論が起こり、文化が創発しているというのがあると思いますけれども、そんなエリア、空間という形で再生される、そんなのも一つの価値像ではないかなと思います。
    ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 今、市長が歩く人中心のにぎわいのあるまちということをおっしゃっていただきました。 私は、物事の進化は、原点回帰と未来進化は同時に起こるといつも考えている。これは哲学者、ヘーゲルの言葉ですけれども、歩く人中心、それは原点回帰だと私は思っています。新しいまちづくりに原点回帰を、思いを置きながら未来進化する、そんな新しい丘の上づくりを考えていただければと思います。 私が創発という言葉に出会い、魅了されて間もなく四半世紀になります。私自身が創発を繰り返しながら今ここに立っています。24年前には想像もできなかった場所に立ち、想像もできなかった人と出会い、創発への思いを今ここで分かち合えたことに運命の不思議さ、尊さを感じております。創発エリアでは市民、特に未来を担う若者たちに出会いの尊さ、人、物、事との新しい出会いを通じて、自らの新しい可能性を生きてほしいと私は心から願っています。この重要なプロジェクトを何が何でも成功させるんだという信念、成功させることが私たちの使命なんだという熱い思い、それらを信じて私からの一般質問を終了いたします。 ○議長(井坪隆君) 以上で、佐々木博子さんの一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     13時40分 休憩-----------------------------------     13時45分 再開 ○議長(井坪隆君) それでは、休憩を閉じ、会議を再開いたします。 次の一般質問を行います。 木下徳康君。 △木下徳康 ◆16番(木下徳康君) 新政いいだ、木下徳康です。 この第1回定例会の質問は、新型コロナウイルス感染症への市の対応についてを聞きます。 今年に入り、当市においても全国的にも新規感染者数が急増し、長野県においてもまん延防止等重点措置が1月27日から先日の3月6日までの期間に適用されたところです。現在は、警戒レベル5というところで予断を許さないところであります。 また、市民活動、社会活動、経済活動、これらを再開させるのはコロナの終息が一番ですが、この終息は一気に望めるものではありません。ウイズコロナの状態でありますが、この中で最大限の活動を可能にしていきたいというふうに思います。その意味で今回質問をさせていただきます。 まず、飯田市で行っている特徴的な施策だと思います水際対策、社会実験としての抗原定性検査、簡易検査キットの活用です。このキットは専門家会議も立ち上げ、市長の肝煎りで始まったように認識しておりますが、市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 簡易検査キットの配布事業、私の肝煎りかと言われれば、必ずしもそうではなくて、職員の中からそういう提案があって、それを専門家会議の皆さんと一緒に考える中で、ぜひやってみようと。社会実験という日本国内ではほかに例がなかった状況で、これを実施することになったわけですけれども、このことについては、市民の皆さんに簡易検査キットを使っていただいて、いわゆる水際対策として行うことによって、実際に陽性者を発見し、そこから先の拡大を防ぐということ、あるいは市民の皆さんが検査をすることで安心感を持つことができた、こういった意味で成果もあったというふうに思っています。 飯田市は一般市ですので保健所機能を持たないわけですけれども、そういう一般市として感染拡大を防ぐために市民の皆さんに向けてできることというのは非常に限られているわけですが、そういった中で、一つ積極的に打てる手段があるというのは非常に大きかったというふうに思っております。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) ありがとうございました。 感染拡大防止の基本は、早期発見と罹患者の隔離です。また、発見ができなければ隔離もできません。新型コロナウイルスは、感染した後、発病する前に人に感染させるだけのウイルス量を放出することがほかの感染症との大きな違いです。そして、今回のオミクロン株は、さらにその間隔が短くなっております。目に見えないウイルスの発見には検査をするしかありません。この意味で、このキットの利用は私も重要だと思っております。 では、具体的に聞いていきますが、社会実験としての現状をお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) この簡易検査キットの現状ということでございますけれども、まず水際対策として市民の皆さんに通常分、郵送でお送りしたもの、これが2月末日現在で11万8,557個ございます。それで、1月の第6波に入りましてから、この水際対策として市民の皆さんに配布するものに加えまして、医療機関や福祉施設等への重点配布、あるいは窓口での緊急配布、それから負担をいただき配布しております近隣町村部、あるいはイベントでの利用、こういったものを含めますと全部で17万5,487個配布しているという状況でございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 水際対策のほかにも重点配布をされていたりという話で、数は全体で17万というふうにお聞きしました。 それで、このキットのことなんですけれども、市は見ますと、一定の効果がある、あるいは感染拡大の予防に資する効果が大きいものとしてなどの表記をしており、評価をしているということだと思います。だからこそ、現在も継続しているということだと思いますが、では、社会実験としての結果はどうだったのでしょうか。 そもそも研究というものは、目的を定め実験をし、得た結果から結論を導き出し考察をするものだと思います。今回の市の言う効果があるというのは結論に相当すると思います。さらに、この社会実験を続けるというのは考察だと思います。 この実証実験によって結論を導き出した結果はどうだったのか、お聞きします。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) まず一つ、社会実験の一つの効果といたしまして、この場合、簡易検査キットを使用したことで、どれだけ陽性者を捕まえることができたか、そういったものが一つの目安になると思います。8月の第5波のときには、既にもう御報告させていただいておりますけれども、4件の陽性者を捕捉したということでございますけれども、1月に入りまして第6波、この中では、キットの陽性者の捕捉数でございますが、アンケートをいただいておりまして、その中で検査の結果が陽性だったか陰性であったか、この回答をしていたことになっておりますけれども、2月末日現在の集計までで25件の方から陽性であったという回答をいただいております。 このアンケートの回収率とか陽性と回答することへの抵抗感とか、そういったものを考慮いたしますと、この数倍は、もっと本当に実際に陽性になった方がいらっしゃったのではないかということが推測されます。また、その点につきまして保健所のほうにもお話を聞いておりますけれども、集計はできていないものの、相当数の陽性者の捕捉ができているというようなことでお聞きをしております。 また、陽性者の捕捉のみならず、さらなる効果といたしまして、先ほど市長のほうも申しましたが、市民の皆様の安心感につながっている、それから医療機関や福祉施設をはじめとしたエッセンシャルワーカーの方々、あるいは日々の検査を必要とする業務に携わる方々、こういった方たちがキットを利用して陰性確認後出勤できる、業務の継続や、そういったことにつながっている、こういったこともこの事業の大きな効果であると考えておるところでございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) まずは、このキットを使って市民自らが検査をした、そしてその結果から医療機関につなげることができたと。数はまだ全体をつかめていないようですけれども、そういう事例が確かにあったと。つまり、これは陽性者の発見をしたということですが、この事実が何より結果として重要だというふうに考えます。 このキットは医薬品としては認可されていないということで、いわゆる研究用ということですから、そのことに対して不安を抱かれている市民もおられるということで、ホームページに学術的な説明を掲載しておると思います。ぜひ今後は、今の陽性者を見つけたというのは飯田市での重要な結果だと思いますので、追記をしていただきたいというふうに思いますが、どうでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) やはり社会実験ということでございますので、その成果、効果といったものを集計ができた折には、その結果をホームページ等で公表するとともに、また議会のほうでも御説明させていただきたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) また、ホームページのお話ですが、このキットを活用した水際対策事業のページの冒頭に、無症状で感染力を有する方を早期に発見して他者への感染を防ぐことを目的としていますと明確化したことは高く評価しております。それで、先ほどからも、このキットを使って安心を得るということは、検査をした人の当然安心につながり、活動が活発にできる、その点はいいんですけれども、もちろん大事なことなんですけれども、実際にはこの陽性者を早期に見つけて、その拡散を防止していけるということが最も重要な価値ではないかというふうに考えます。 今も社会実験は継続しております。やがて、これは総括する必要があると思います。今の数にしてもしっかりまだつかめていないという状況だと思います。この感染力を有する方を早期に発見して他者へ感染を防ぐこと、これがどれほどできたかの検証が必要だと思います。コロナ禍を経験した我々として後世に伝える必要があると考えます。 また、議員としては、何人の陽性者をどのぐらいの予算をかけて発見できたのか、この点も重要だと思っております。費用対効果という検証が必要だと思っております。今は、その検証ができるようにデータの収集を確実にしておかなければいけない時期だと思っております。 この社会実験の最終的な検証はどのように考えておりますか、伺います。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 今、議員さんおっしゃっていただいたように、当然その陽性者の捕捉ですね、どのぐらい陽性者を捕まえることができたか、この数字も大事ではあるとは思いますけれども、その先に、陽性者を早く発見することによってどれだけの人が感染せずに済んだか、こういったことももちろん必要だと。ただ、これは検査をしたかしなかったかを比較することはできませんので、そこのことは数字で表せるものではないと思います。 それから、先ほどから何回か申し上げておりますけれども、当然その陰性であった、これが安心につながっているとか事業所に出勤ができるようなったと、こういったことは、これも数字では表せないものであると思います。そういったものを総括的に評価して、この事業の効果というのを図っていきたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) この検証に関しては同じような認識でおられるというふうに感じました。この社会実験が真の意味で効果があったかどうかを検証すること、また、そのためのデータ収集を心がけていただきたいというふうにお願いします。 さて、このキットを使えば、ウイズコロナの状態でも市民活動、経済活動を再開させていくことができると思います。その意味で幾つか聞いていきます。 小・中学校での状況はどうでしょうか。この検査キットの利用は、学校単位で使われたことはあるのでしょうか、お願いします。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 検査キットの小・中学校での使用についての御質問をいただきました。 まず1月以降の休校の状況だけ、ちょっとお伝えをさせていただきたいと思います。 1月以降、本日まで臨時休校した学校は12校、学年閉鎖した学校は5校、学級閉鎖した学校は5校と、いずれかの措置を講じた学校は市内28校中13校という状況です。本日、2校で学年閉鎖、2校で学級閉鎖という状況です。 こうした状況の中、簡易検査キットを有効に使いながら集団感染、集団クラスターを今防いでいる状況です。この場を借りて、改めて保護者の皆さん、家庭内での感染拡大の防止に注意を払っていただいていることに感謝を申し上げたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 小・中学校には様々な行事があります。その中でも卒業式、入学式は最も重要な行事です。来週16、17日には、それぞれの学校で感染防止対策を取りながら卒業式が行われると聞いております。このとき制限をしている保護者の参加ですが、このキットを有効に使えば今後その制限をなくすことも不可能ではないと思います。また、ほかの学校行事に対しても活用ができると思いますが、お考えをお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 議員おっしゃるように、卒業式は学校の行事の中でも最も大切な行事の一つだと思っています。その中で、ただ1学年900人、卒業式を迎える児童・生徒は1,800人、それで各家庭の保護者が2名行っただけで5,000人を超えていきます。さらに、ここで来賓ということと、かなり膨大な参加者が卒業式に来るという状況になり、これは簡易検査キットでやるという行事からするとなかなか難しいんじゃないかなというふうに教育委員会では考え、今年度の卒業式は保護者を2名までとさせていただき、式場の広さや学校規模等により感染予防のための距離は確保できる、具体的には間隔を1メートル以上取れるという状況であれば、在校生や地域の来賓の皆さんの参加も可能という形にしております。 いずれにしろ、卒業式は人生の節目となる大切な行事ですので、心に刻まれる温かいものになるように今準備を進めているところであります。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 実際にその数を、このキットを用意するのは予算的にも大変厳しいものがあるというふうに私も想像がつきます。しかし、場合によっては、こういったところをピンポイントでというか行事、あるいは学校を限定してやるという、その行事内容によってはですね、またそういう方法もあるということで検討いただければというふうに思います。 では、このキットの活用という面から考えてみたいと思います。 この活用の方法は大きく2つに大別されるように思うんです。例えば他県との往来、集会、懇親会など、今御質問させていただいた学校行事等もそうですが、そこの空間に持ち込まないために活用する、この方法が1つ。もう一つは、感染が発生したとき、その周りに対して使う高リスクへの集中活用ということが考えられると思います。 次は、今の後者のほう、高リスクへの集中活用についてですが、学校のことです。今も御答弁いただきましたように、休校あるいは学級閉鎖の話を聞きました。そういった措置は、拡散のリスクを下げるために行われているというふうに思います。このときに、さらなるもっと強く拡散防止をするためには、発生したところに一斉にこのキットを集中して用いることはできないものかというふうに考えます。 あるいは、そういった用いてきた事例があるようだったらお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 保健所と相談しながら、かなりケース・バイ・ケースで対応しております。実際に濃厚接触者や陽性者にならなかったけれども、子供が発熱したと、これは感染の可能性があるといった場合には、御家庭の簡易検査キットを使っていただく場合もあるし、教育委員会から提供する場合もあります。また、教職員の場合も、濃厚接触者にはなっていないんだけれども、安心・安全のために朝出勤するときに確認をして出てきてもらうと、こういう使い方をしております。ですので、議員おっしゃるように、簡易検査キットについては、学校での感染の防止のため、また安心・安全のために有効に活用し続けているという状況です。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 今いただいた御答弁は理解ができます。それで、実際には小・中学校の場合ですと誹謗中傷とかもあり得るかもしれません。それで、私が申し上げたいのは、感染が発生したとき、そこはリスクが高いので、そこに集中して使えないかということを提案しておりますので、小・中学校のことはここまでにします。ありがとうございます。 それで、今は学校のことを聞きましたが、事業所や施設、感染者が発生した場合、即このキットによるスクリーニングができれば非常に有用だというふうに思います。そこで、市においては、その提供の体制、あるいは連絡体制も必要だと思います。そういったことを整えていってもらいたいと思います。 次に参ります。 市民の方からワクチン接種、検査のこと、あるいは感染の不安等々から様々な相談が寄せられていることと思います。その相談のうち、ここでは罹患者からの相談について聞きます。 殊に自宅療養などの場合、不安があると思いますが、罹患された市民の方からの相談の内容や件数をお聞きします。 ○議長(井坪隆君) 高山健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高山毅君) 第6波の広がる中で自宅療養者や在宅待機者が増加したのが1月末でございました。このときに保健所と連携をする中で、自宅療養者及び在宅待機中の濃厚接触者の皆さんの生活の困り事相談窓口を設置しました。 相談があった件数は、2月一月を見ますと16件、その相談内容は、当座、やはり自宅に休んでおられますので、食料ですとか生活必需品ですとか、こういったものの買物に出かけられないと、こういった御相談が大半でございました。 自宅療養者や濃厚接触者に対する生活支援として、2月に臨時議会を開いていただいて予算を盛っていただいたわけですけれども、そういうものを使いまして生活備蓄品等を活用した食糧支援を8件、それから買物代行の支援を3件実施してきたところでございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) ちょっと今の16件の中なんですけれども、その罹患した人たちの中で、午前中もありましたが、後遺症の方というのは、基本的にはその病院等々、あるいは県に相談するかと思いますが、この16件の中に後遺症での問合せというのはありましたでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 高山健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高山毅君) 後遺症など体調不良の悩みというのは、議員おっしゃるとおり、一般には医師へ相談されますので、市への相談は来ておりません。自宅療養の方には、長野県の健康観察センターが日々電話で体調管理をして相談に応じておるところでございます。 西森議員の御質問にもありましたけれど、体調不良について仮に市役所に御相談があれば、医療機関ですとか飯田保健所を御案内することとなります。以上です。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 市のほうには基本的にはないということでお聞きしました。 昨日、3月9日現在で飯田市内での陽性者の総計1,091人と発表されております。人口からしますと1%以上の人が罹患した計算になります。今後、この罹患者からの相談が増える可能性があります。そういったところにも心を配っていただけますようにお願いいたします。 次に、まん延防止等重点措置適用期間における市有施設の開館、閉館などについて聞いていきます。 これらは、この閉館、開館は市によって決定されていました。それでは、このとき原則休館だったんですが、この休館とした判断基準をお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 市有施設の閉館の基準等を含めまして市が行っております対応につきましては、飯田市が設置しております新型コロナウイルス感染症対策本部、こちらのほうで決定をしております。市有施設の関係につきましても同様でございますが、これは昨年の1月に飯田市が初めて感染警戒レベルが5になったときに、県のその基準にのっとりまして、警戒レベル5のときには原則閉館としようということで決定したものでございます。それに基づきまして、今回のまん延防止のとき、それ以前から、感染警戒レベルが5になったときから原則閉館という形をさせていただいております。 それで、長野県におきまして、昨年11月にこの基準の見直しを行っております。このことを踏まえまして、今般のまん延防止等重点措置の解除に合わせまして市でも基準の見直しを行ったところでございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 例外的に開館、あるいは利用を可能としている施設がありました。まず動物園等は該当するところですが、このまん延防止期間中に、2月11日なんですけれども、その動物園、美術博物館、考古博物館を、15日には子どもの森公園の一部施設など開館されました。そのときの判断の基準、理由をお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 2月11日から動物園等の施設について開館をした、これは基準の見直しということではなく、状況に鑑みてということであります。内容としては、感染リスクを考えてみましたときに、屋外あるいは人との会話が想定されない、そういった市有施設については感染リスクが極めて低いであろうという判断をいたしたわけです。 飯田市の場合は、1月9日から実質的に感染警戒レベル5相当の措置を取るということで、既に1か月にわたって市民の皆さんに行動の抑制をお願いしてまいりました。そういった中で、かえってその心身のリフレッシュする場所がないことによる引き籠もっていることによるリスクといいますか、弊害も想定されてくる時期になってまいりましたので、今申し上げましたように感染リスクの低い屋外の施設、あるいは展示の観覧を主とした施設というのを一部開館することにしたものでございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 状況を鑑みて、感染リスクが低く、しかも市民の心身のリフレッシュができる可能性があるということで開館されてきたというふうにお聞きしました。 市が実施する必要性があるというふうに認めた市有施設は開館してきたと、使用可能にしてきたということがあったと思います。実際このような形で使用した事例はあるのでしょうか、あるようならば、必要としたその根拠も一緒にお聞かせ願えればというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) ちょっとすみません、反問権といいますか、もう一度ちょっと質問のほうをお願いしたいかと思うんですが、よろしいでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 再度質問してください、今の項目について。 ◆16番(木下徳康君) 市のほうで原則休館を出した通知の中に、その例外的なものを4つ上げてあります。例えば、地域協議会やまちづくり委員会などの地域自治活動から始まって、その一番最後、4つ目にあるのが、制限期間中に実施する必要性があると市が認めたものというのがあるのです。これに該当したものがあったかどうかという質問です。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 大変失礼いたしました。 この制限期間中にということでございますが、今おっしゃっていただいた一番最初の項目ですね、まちづくり委員会の会議ですとか、そういったものについては、通常から人数制限とか感染対策をしてオーケーということにしていますので、それは使われていると思います。 それから、例外的に行ったものとして、お練りまつりの練習ですね、こういったもの、これは本当に7年に1度しかこれができないということもありまして、それについて例外的に認めた場合もございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) その申請というのは、書面で申請があったんでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 書面での申請というものはございませんで、個別に担当部署のほうに相談をしていただいてということになっていると思います。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 分かりました。 実際にそういった市が認めるものということで認可をしてきたという経過をお聞きしました。 あと、もう一つお聞きしたいんですが、手短にお願いしたいんですが、グラウンドなどの屋外施設の利用はどう考えてきたのか、経過も含めてお願いします。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 社会体育施設についても1月9日を起点に施設の利用を原則休所してきましたけれども、3月1日からは屋内に比べて感染リスクが低いと判断される屋外体育施設については、施設の利用再開と新規使用申込みの再開をさせていただきました。 また、3月7日に国のまん延防止等重点措置が解除された以降の対応ですけれども、これについては本部会議の中でレベル5の対応基準を見直しを決定がされましたので、これに基づいて屋内体育施設については利用時間を2時間に限定することと、学校開放の施設については、まだ小・中学校における感染が収まっておらない状況がございましたので、引き続き休止をさせていただくということでありましたけれども、そういう対応をさせいただきました。 ただ、利用に当たっては、これは当然のことながら感染防止対策をしっかり取っていただいた上で利用いただくということでお願いを申し上げています。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 今まで例外的に、あるいは途中で開館してきたものについてお聞きしてまいりました。 今までの議論をちょっと合わせて考えますと、市有施設から感染者を出さないというのはまず原則ですので、施設を原則休館としてきたと。そして、その後、市民活動の重要性から、利用の仕方によっては感染リスクを下げられる施設に関しては、随時検討して開館、あるいは利用可能としてきたという認識でよろしいでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) そういった認識で結構だと思います。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) はい、すみません。 それでは次の項目ですが、このマレットゴルフ場というのがありますが、これは使用不可でした。今の感覚からいってもちょっと逸脱している、今のカテゴリーにちょっと当てはまらないような気がするのでお聞きしたいんですけど、市では、このマレットゴルフ場をどのように考えていたのか聞きます。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) マレットゴルフ場について御質問ですけれども、マレットゴルフ場については、妙琴公園と野底山森林公園にございますマレットゴルフ場については、これは市が開設運営をしているものであります。 また、それ以外に天竜川の河川敷等を活用されて地区のまちづくり委員会や同好会の皆さんが管理運営しているこの2つの形態があります。市有施設については、当然原則というか飯田市の施設としての対応基準に沿ってということになりますけれども、それ以外の施設については、これは実態とすると今回は冬季閉鎖という施設が多かったもんですから、しかしながら、数少ない施設が動き出しをしつつありましたが、これは市の対応を見て使途に準ずる判断の中で閉鎖をしていただいたというようなことを確認しております。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) はい、分かりました。 とはいえ、ちょっとお聞きしたいと思います。 マレットゴルフ場全部を一緒に論じられないことは分かりました。それで、実際に、この閉館していたマレットゴルフ場もあったということで、それは閉館していたところは、実際には市の施設ではないので、本来市でその閉鎖の指示を出していたわけではないという解釈でよろしいでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 特に、まちづくり委員会等が管理運営していただいておるその施設については、これは基本的にはその中での判断で対応いただきますけれども、ただ、やはりレベルに応じていろんな対応が変わってくるんだろうと思いますので、一つの在り方として市の対応に準じていただくということは蔓延防止の観点からも望ましいのではないかなと。ただ、判断は自主的なところによるところだと思います。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) マレットゴルフ場全部を市の施設だと思っている人は多くいます。確かに市のホームページにも掲載され、申込先としてスポーツ課をはじめ各公民館が掲載されております。また、天竜川の河川敷をマレットゴルフ場とするには、国土交通省中部地方整備局の許可が必要です。その許可は市長名で受けております。よって、市有施設に準ずる施設と考えるのも理解できるところではあります。 実際は、この閉鎖に対して不満を持つ方、あるいは閉鎖を決めた方、双方から話を聞いております。どちらにも心労があったというふうに私は思いました。それで、このときに、どちらにも了解している指針みたいなものがあったらいいんじゃないかというふうに、そうしたら心労は軽減されたんではないかというふうに思うのです。その指針の案を市のほうに策定を検討していただけないかというお願いをしたいんですが、いかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 御意見として頂戴して検討してみたいというふうに思います。 一般的な基準になりますけれども、マレットゴルフ場独自にその基準があるわけではないので、一般基準に先ほどの飯田市の対策との参考にしていただくというところだと思いますけれども、そういったことを検討してみたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) それでは、市にはコロナ禍におけるマレットゴルフ場使用に関する指針の案を策定し、各管理団体に提案することをお願いいたします。 大分時間がなくなってまいりました。本当に時間がなく、いろいろ準備してきてくれた方も大変ありがとうございます。 すみません、ここでお聞きしたかったのは、今の休館と同じときに、市では対策として一般が主催する行事、イベントに対してお願いしていくと。それは、県のほうに感染防止の安全計画を出していくということを要請していくというお話でした。 それで、ここから質問をしたいと思っていたのは、この計画を出すと実際には2万人までのイベントが可能になります。それで、今回のお練りまつりにもこれは適用できるというふうに考え、ぜひと思って考えておりましたが、奉賛会のほうで、先ほどありますが、実際にレベル5で、この安全計画を出してレベル5で開催することが決定しました。ぜひ成功していただきたいと思います。以上で質問を終わります。 ○議長(井坪隆君) 以上で、木下徳康君の一般質問を終わります。 ここで、執行機関側より発言の訂正がございます。 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 申し訳ございません。 ただいまの質問の中で、閉館中の施設を特別に開館する場合の申請書の関係なんですが、閉館するものを特別に開けてくれという、そういうその申請書ではないんですが、最終的に担当課と協議の上、オーケーということになった場合、通常の利用の申請書、これは出していただいているということでありますので、訂正させていただきます。 ○議長(井坪隆君) 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     14時26分 休憩-----------------------------------     14時35分 再開 ○議長(井坪隆君) それでは、休憩を閉じ、会議を再開いたします。 次の一般質問を行います。 新井信一郎君。 △新井信一郎 ◆19番(新井信一郎君) 皆さん、こんにちは。会派きぼう、新井信一郎でございます。 昨日、ロシアのウクライナに対する侵攻を非難する決議に対し、全議員で御賛同、可決、飯田市議会の新たなスタート、そのように感じます。そして、その行動は世界平和に必ずつながると信じます。 さて、原田泰治さんがお亡くなりになりました。当時の伊賀良村に少年時代を過ごされ、その思い出をテーマに描き、多くの作品にて我々の心に残るふるさとを創作してくださいました。リニア新時代を迎える当地だからこそ、もっともっと必要とされる泰治さんであります。伊賀良地区でも、そして飯田市でも、今後、泰治さんの御功績に何らかの恩返しは必要かと考えます。御冥福をお祈り申し上げます。 そんな泰治さんが当時、伊賀良村から望んだであろう南アルプスや眼下の天竜川の風景、いわゆる我々の日本人の心の風景が宿る森林、里山について、通告に従い順次質問に移らせていただきます。 1番、林業政策から見る獣害被害対策や観光・環境・防災維持のための里山整備についてです。 まず(1)林業政策について。 ①ウッドショックを経験する中、現状についてお伺いさせていただきます。その中でも、アとして、木材の状況はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) ウッドショックということでございますけど、外国産材の輸入が極端に減少し、国産材の需要が急激に高まり、それに伴い、価格高騰や建築用材が手に入らない状況になったこのウッドショックは、当地域でも大きな影響を受けました。一時は手に入らないという状況も聞かれましたが、今は一部を除き、そのような状態を脱しました。ただし、木材価格、単価は高めで推移しているようです。年末頃から現在にかけては原木の生産供給量は増えてきており、次の段階である製材が追いつかない状況のようであると聞いております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 当地域でも今あったように、大きな影響があることを改めて理解いたしました。 そこで、お伺いいたします。 イ、林業に従事する人材の確保はどうなっているでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この林業人材、林業後継者の確保・育成は、当地域の林業にとっても大きな課題であります。森林組合の従業員の年齢構成を見ても高齢層が多くなっています。 市としても、一つのモデル的な取組として今年度、森林管理制度の業務を行うための雇用をするに当たり、単に事務従事者として雇用するのではなく、将来は林業に携わりたいと考える人をIターンなど移住も含めて募集し、森林管理制度の仕事をしながら林業の技術等も学んでいただき、将来は林業関係の職に就いてもらおうと、そういう取組も始めたところでございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 高齢化やそもそも従事者の減少、そういった中を新たなプログラム、理解をいたしました。 続いて、ウ、獣害対策についてお伺いします。 まず初めに、現状をお伺いいたします。
    ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この林業に関する獣害としては、熊や鹿による皮剥ぎ、これが毎年報告されています。獣害対策としては、年間を通して飯田市連合猟友会に有害鳥獣の駆除をお願いしているほか、森林整備の補助事業の中でも獣害防除等に対して補助がございますので、これに取り組んでおります。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) せっかく苦労して植林するも、獣害にて効果が現れないようでは残念でしかありません。 そこで、お伺いいたします。 2番、人材育成や好事例から学ぶ対策は、どのようなものを取られているでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 獣害対策に対しましては、この飯伊連合猟友会が主催で新規狩猟者確保講座というものが開催されておりまして、クレー射撃の見学、それからわなの設置体験、それから鹿の解体やジビエ料理の試食などを行っています。この参加者からは貴重な体験ができたと評価されており、主催者のほうも多くの方に来てもらい興味を持ってもらうことができたと、この狩猟の世界を知る入り口にしたいというふうにしています。飯田市としても、このことを周知したり宣伝をしたりして協力してまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうですね、本物体験が人々の感動を生み、必ず次につながると思います。ぜひよろしくお願いいたします。 続きまして、森林環境譲与税について御質問に移るのですが、そもそも森林環境譲与税とは何か簡単に説明しますと、気候変動対策の一環として設けられ、森林や木材利用を促すため、国が市町村や都道府県に分配する資金とあります。本年1月末日に信濃毎日新聞社さんの記事にショッキングな見出しにて「森林環境譲与税54%未使用」とありました。記憶されている方も多いかもしれません。 そこで、当市に当てはめて順次お伺いをいたします。 ②森林環境譲与税について、まずアとして、運用状況はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この森林環境譲与税は、当市には本年度4,700万程度の譲与税がございます。これが大体毎年こういった額で入ってまいります。この森林の境界の調査、それから所有者の意向調査など、森林管理制度のベースづくりに現在は主に充てております。 ほかに、間伐の際に発生してしまう林地残材を原木とともに搬出することを促進するための補助、これはバイオマスに利用されることによる有効利用とか、それから地域循環になりますので、そういったこと。それから、市有施設の建設時における市産材の利用促進などにも充てております。それから、将来の森林整備に備えた積立てもしております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 信濃毎日新聞社さんの記事同様、未執行や、そもそも意にそぐわないようではいけませんが、続いての質問に入らせていただきます。 イ、今後の活用についてお伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この森林環境譲与税に関係するところの積立てですけれども、今、本年度末で六千数百万ほどになります。引き続き、当面は森林管理制度のデータ整理、山林所有者の意向調査などに取り組みつつ、それから現在取り組んでいる森林整備、市産材利用や様々な活用を行うよう、これは段階的に拡充していきたいと思っています。 先ほど紹介しましたその森林管理制度に絡めて、林業に携わりたい人、そう考える人、Iターンなど含めて移住も含めて募集するということは、県内外から2名のIターン移住者が見込まれております。上村、南信濃地区など中山間地域へ居住いただくことを含めて今進めているところでございます。 今取り組んでいるこの森林管理制度の基礎的なベースをつくる作業に、これは大変システムの構築など費用がかかりますので、現時点、基金もございますが、今後、今お話し、紹介したようなことも含めて、有効な活用、それから価値ある活用をしてまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ぜひ森林が8割以上の当市です。国に対して分配方法や新たな活用策を積極的に申し出て、予算確保、そして速やかな執行に努められたいと申し添え、次の質問に移らせていただきます。 森林経営管理制度に移るわけですが、それは民有林のうち、現に経営管理が行われていない森林について市町村が森林所有者の委託を受け経営管理することや、意欲と能力のある林業経営者に再委託することにより、林業経営の効率化と森林の管理の適正化を促進するものと長野県のホームページから引用をさせていただきました。 そこで、お伺いいたします。 ③森林経営管理制度について、ア、現状はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この森林経営管理制度は、先ほどから繰り返しになりますけど、この山林の境界の調査、それから所有者の意向調査、そうした森林管理制度のベースづくりをまずしていく、こういう必要がございます。そういうわけで、森林所有者への意向調査などを行うに当たっては、その先の整備のことも考えると、森林整備を効率よく進めるために、実際に整備に入りやすい森林、整備に入りやすい場所、そこから調査を行っていると、そういう状況でございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 続いてお伺いいたします。 イ、飯田特有の小規模、いわゆる1ヘクタール未満の林家(森林所有者)の把握や所有者の明確化はどのようになっているでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) ある程度大きい所有者の人が持っているところは分かるんですけれども、まさに今、議員さん御指摘のとおり、この小規模の所有者の把握だとか明確化、これが大変な作業になってくるわけでございます。ですので現在、法務局の登記情報や林地台帳等により地籍調査の進んでいない山林の所有者、それから境界、こういった調査を進めておりまして、来年度中の完成を目指しております。現状との乖離もありますので、今後の調査の中で精度を高めてまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 森林経営管理制度から見る飯田市の様子を答弁からさせていただきますと、1点、調査エリア等活用ニーズのモデル的エリアとして、より発信力の強い里山エリアも御一考いただけると、さらに意欲と能力のある林業経営者に再委託が意味をなすのかなと思います。林業経営の効率化と森林の管理の適正化が図られ、訪れる市民や来訪者、そして維持管理に汗を流される地域の各種団体の皆様に、さらに活気があふれるかと思います。その辺りは後ほど答弁をよろしくお願いしたいと思います。 さて、ここからは、少し最先端の林業についてお伺いをしてまいります。 スマート林業技術、ドローンを活用した森林情報把握や航空レーザーの解析精度の向上を踏まえた航空レーザー解析を実施するとともに、これらの詳細森林情報を簡単かつ高度に使えるGISの導入支援を開始、そして需要、マッチングモデル開発を推進など、かつての林業と、いわゆるイメージとかなり違う進化と変化を遂げているところだと思います。 そこで、お伺いをいたします。 (2)次世代につなぐ森林づくりについて。 ①として、スマート林業技術の活用はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) その前に、今議員さんからお話しありました、その整備に入りやすいところから入っているというところについてでございますけど、確かに市民の皆さんから見えるところ、そういったところも取り組んでいくと、関心が全体として高まるということがあると思います。それから、事業者さんもそこに手を挙げて取り組んでみたいと、なかなかその林業の作業というのは採算が難しい面もありますけれども、そういうのに取り組んでくれるというところがあれば、そういったところにも声をかけながら進めていく、これは大事なことかなと思いましたので、承知してまいりたいと思います。 スマート林業のことですけど、このスマート林業は当市においても着目しておりまして、現在、山林所有者や、それから境界のほか、それから高低差を見る場合、これはやっぱり立体的な地理空間情報が有効でございますので、今、電子地図化を進めているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 力強い答弁をいただき、私の質問にもさらに力が増してまいりました。 続きまして、最新技術の活用には大きな設備投資が必要かと思います。 そこで、お伺いいたします。 ②森林3次元計測システム等活用への補助は、どのようになっているでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) まさにこの森林3次元計測システムについては、この森林資源情報の把握に非常に有効な技術だということでございます。これまでによる目視による調査、これと併せて活用することで非常に高い効果が得られると認識しています。 今後、山林所有者の意向調査を進め、森林整備を進めていく際に有効なツールであると考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 目視のような、いわゆる職人かたぎのそういったお立場も絶対大切だと思います。その一方で、効果をお認めになるような、このような事業体におきましては、林業の活性化はもちろん、これまでの林業とは違うアプローチで林業に参画できるであろう人材のニーズ開拓にもつながるかと思います。ぜひ積極的なアクションを期待いたします。 さて、森林3次元計測システム等に補助という形で支援することにより、得る情報の共有化が加速してくるのかなあと想像できるんです。 続いて、お伺いします。 ③として、データの活用や蓄積による森林情報の共有化はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) これまで調査してきたそういうデータ、これから調査するものも、そうですね、そういうデータ、これはやっぱり蓄積した地理空間情報を活用していくということは、やっぱり非常に有効なことだと思います。そういうものがきちっと共有されれば、林業事業者と共にいろんな作業を進めることがしやすくなると。それから高低差などの立体的な情報も活用すると整備も促進できるということでございますので、そういったことを踏まえて進めてまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) もう皆さん御承知のとおり、飯田市の地形は複雑極まりない状態です。ぜひ、地形空間情報の有効活用や新規参入企業の門戸の拡充、危険箇所、そして作業する皆さん方の作業が安全にできるような、そんな状況に森林情報の共有化を生かしていただければよろしいかなとも思います。 そこで、お伺いします。 最先端機械は手に入ったが、そのオペレーションに不慣れでは機能発揮ができません。スマート林業への就労意味も加味し、お伺いいたします。 ④として、データを活用できる人材育成はどのようにお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 山に入って作業をしていただく、そういう従業員、従事者も大変重要なんですけど、まさにこの、これからいろんなシステムを活用して仕事をするに当たっては、このデータを活用できる人材は本当に大切というか必要だと思います。ただ、こういう方を、人材を確保して進めていくに当たっては、20年、30年にわたって雇用する側の責任も伴うということでございますので、だんだんこういうシステムを導入しながら進めていくに当たっては、様々なことを考慮しながらになっていくと思います。 この森林組合はじめ関係団体と課題を共有しながら、必要とする人材の確保、それから育成、これにはしっかり取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 分かりました。 ここで提案ですが、若者や女性技能職員に対する特別な補助や、これまでにないスマート林業への就労支援に御配慮、御支援いただけることをお願い申し上げます。 ここまでは、特に林業従事者に対する新たな取組について議論を重ねさせていただきました。 ここからは、森林を使う目線での質疑になろうかと思います。 (3)里山の充実、これは環境、観光、防災についてです。 ①として、林業振興と併せたツリークライミングの推進はどのようになっているでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 新井議員からツリークライミングのことは度々聞かれておりますけれども、今年度はツリークライミングの体験講座を実施しました。これは産経部ではなくて環境モデル都市推進課の主催でございますけれども、実施したと。そうしましたら、これは11月の下旬に開催したようですけど、定員40人が満員になったということでございました。こういった環境、これは環境学習にもなるし自然体験、森林啓発の取組として有効でございますので、こういう人気の高い講座ということなので、また環境モデル課が主催ということだと思いますけれども、産経部としても林務課中心に関係者と連携して今後も協力してまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) これまで何回か一般質問等々を通じてツリークライミングを広報させていただいております。コロナ禍という状況下ではありますが、非常に大きな人気があったと非常にうれしく思います。 感染予防対策を確立しての野外活動は、心身ともに大きなリフレッシュを与えてくれます。また、常の目線ではない、樹木からその樹高を含めたその高さから見る目線効果は、リニア新時代を迎える飯田市には、何かその将来が見えてくるような気もいたします。 そこで提案です。 林業に関するイベントを多く開催されている事業者は、特に市民と接する機会も多く、どこの里山を重点的に整備していくことが大切なのか、市民益につながるのか、そういった声をリサーチしてみるのも一つの手かと思いますが、その辺りいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) そういう森林に関わりを持っていただく、里山に関わりを持ったり整備をしていただくと、そういう団体の皆さんは、まさに現場でその状況をよく御存じであるということだと思います。ですので、こうした里山を生かした、例えば公民館の取組、それから地域の団体の取組、そういったものが今後も継続して実施していただけるように、お話を聞かせていただいたり協力をしていきたいと思っております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ありがとうございます。 続いてお伺いいたします。 ②遊歩道の整備や維持管理と利活用はどのようになっているでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 最近もまた西部山麓の遊歩道を北方の壮年団の皆さんが整備してくださったということも聞いております。まずこれは林のサイドからの支援というだけでなくて、新年度の予算では、渡り橋が腐っているところがあるということで、そちらを観光のほうの予算で危険にならないように、安全に歩いていただけるようにというふうに手当てするということで今予定しております。そういった形で、市で全てということもできませんが、地域の皆さんがそういう形で取り組んでくださっているところには、市としても御協力を申し上げて、結果としてそのルートが快適に歩ける、気持ちよく歩ける、それからその山がうまく使っていただける、気持ちよく使える、そんな形に持っていきたいと心がけてまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) どうぞよろしくお願いいたします。 旧態依然では対応し切れなくなってきた森林が、いわゆる残念ではありますが、ウッドショックで明らかにされた部分もあります。しかし、森林環境譲与税や森林経営管理制度、様々な手法が示された中、意欲と能力ある林業経営者に再委託することにより、林業経営の効率化と森林の管理の適正化を促す期待が寄せられると思います。西部山麓エリア一つ取っても、いわゆる20地区という概念を超える里山です。河岸段丘があるがゆえ、それぞれお気に入りが見つかる、つくれる飯田市です。 さらに、全国に名高い樹木医をはじめ、今回も取り上げさせていただき、これまでもツリークライミングを全国に、そして世界にと活躍される逸材も飯田市にはいます。樹上のアスリートとして地域の子供たちに自然と親しみ、森や林業に興味を持ってもらうためのツリークライミング体験の開催への支援と、一方で歴史ある林業と合わせ、最先端のスマート林業のスムーズな移行にお力添えを、どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして大きな2番、コロナ禍における飲食店等への内容についてお伺いします。 多くの支援プログラムが国に始まり、飯田市でも展開がございます。 (1)として、支援状況について。 まず①相談窓口等の状況はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) このコロナ禍における飲食店等をはじめとした緊急経済対策事業については、産業振興課にて総合的な相談窓口を設けて、電話対応、それから各種支援の概要、チラシや要綱の作成、それから申請書を窓口配付するというようなことをしてきておりますし、今まさに会計年度任用職員さんも採用させていただいて、日々対応に追われておるところでございます。 国や県の支援策についても同様に、このホームページなどでも市の支援策と一緒に一覧で見られるように工夫をしておるところでございます。 また引き続き、状況の変化に応じて取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ありがとうございます。 多くのプログラムと市の丁寧な御対応に感謝申し上げます。ただ、経営者が不安を抱える状況下で、たとえ人格者であったとしても、どうしても言葉が先走ってしまう場面も多かったかと思います。 そこで、お伺いをいたします。 ②各種専門機関への申請委託、いわゆる書類作成は、どのようであったか分かりますか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この書類作成の関係ですけれども、国の雇用調整助成金等の申請の書類については、手続が非常に煩雑であるということから、社会保険労務士への申請事務を依頼した場合に10万円を上限に補助をするということをしてまいりました。今、市のほうでもいろんな対策事業をやっているわけですけど、この市の対策については、まさにこれは申請先が飯田市でございますので、今さきに紹介した国への申請を支援するという、こういう助成事業は行っておりませんけれども、まさに市が受けるという立場でございますので、申請書もできるだけ分かりやすく簡易なものにすることに努めましたし、窓口の対応も丁寧に進めるよう取り組んでいるところでございます。 この事業者の負担軽減に努めて、多くの事業者の皆さんに対応いただくということでやっております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうなんですね。実際に支給されても専門業者に申請を依頼すると、そこで出費となってしまい、いわゆる実入りが少なくなる、そんな場面もあったかと思います。これは決まり事でありますし、仕方ないのかもしれません。決して公金をラフに使えとは決して私も言いません。一方で、申請委託される業者さんもビジネスです。無理強いは決してできません。今後そのバランスが調整できるとよいかと思います。ぜひその辺りの御指導もよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、(2)コロナ禍ゆえの支援策について。 1.テークアウトやキッチンカーの状況への対応はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) テークアウトやキッチンカーということでございますが、当初と比べまして、今はこの市内で例えばテークアウトを行っている店舗、これは簡単にインターネットなどでも検索できるサイトが立ち上がってくるなど、それから場合によってはテークアウトというふうにメニューなどで銘打っていなくても、食堂に行っておかずのほうだけ持ち帰らせてくださいと対応してくれたりというような形に変わってきているかなあと思っています。そういうような状況ですので、テークアウトの利用そのものは、テークアウトということそのものは市民の皆さんに幅広く浸透してきているというふうに感じています。 そういう中でありますので、今私どもで考えていることは、今後、企業の催しや会合など、大口のテークアウトの需要みたいなものがあれば、そこに幾つかのお店がまとまって、あらかじめメニューをお示しして注文を取って、その日にお運びすると。例えばKOA株式会社さんでは、例えば1,000円なら1,000円というものを、そのうちの何百円かを会社で補助をするというようなことまで言われております。それが全てじゃないですけれども、仕組みとするとそういったようなことを考えて、これからはテークアウトでお届けできる場所づくり、それを検討することが事業者にとってもロスがなくていいだろうと。それから従業員の皆さんも楽しみがあっていいだろうというようなことを考えておりまして、今、商工会議所の皆さんと一緒にこのことを検討しております。 県のプレミアム食事券の使用期限も7月末までに延長されているということもありますので、キッチンカーの取組もやっておりますけど、こんないろんな取組を考えてまいりたいと思っております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうですね、当初のテークアウトから様々なお店の個性が出てきて、また利用者も、その個性に魅力を感じて双方のよい関係も生まれてきております。また、キッチンカーのお話も企業さんへ出向くと頂戴しました。その辺りもまた、ぜひお知恵を貸していただけるといいかなと思います。どうぞよろしくお願いします。 ②として、スタンプラリー等の考え方、この辺りはいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) スタンプラリー方式、これはまちなか回遊にとって、このスタンプラリーなどで個人や小グループが回遊できるというこの仕組みは有効と考えます。飯田では、丘のまちバル、それから丘の上スタンプラリーといったこれまで実績がありますので、ただ、これらというのは、その事業者の皆さんの飲食が伴うということになると事業者の皆さんの御協力やまとまりがあってのことですので、またこのタイミングを含めて相談しながら進めてまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ぜひそういった個別のニーズ等々にも応えていただきたいと思います。 そして、お店を回って、やっぱりポイントカードがたまるって、私もそうなんですけどうれしいんですよね。ささやかなプレゼントかもしれませんが、ああいったものがうれしくありますので、そういったところも何か一考いただけるとうれしいと思います。 続きまして、(3)に移ります。これまでの支援策、いわゆる補助金等について。 ①補助金の使い勝手や使途の調査はされておるのか、いかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) これまでの緊急経済対策の各種支援を行ってまいりましたが、これの目的とか性質にもよるんですけど、いわゆる飲食店等に、そういう事業者に直接一律的に20万円とか10万円とか、そういう給付を目的として行った事業については、いただいた方、もらったその事業者がどう使うかというところまでは調査は実施はしないという考えでございます。 しかしながら、信州の安心なお店向け抗原キット配布事業、これは従業員の皆さんが心配なときに検査キットで安全を確認していただくと、お店の従業員の皆さんが、こういう事業でございましたけど、これはアンケート調査を実施しておりまして、事業効果を検証し、参考にしたいと思っています、今後の。 それからもう一つ、同じく、もっと安心なお店補助金というのがありまして、これはお店の換気対策ですね、換気対策に補助するということで行ったものでございますけれども、これも事業者が取り組む、そういう感染対策に対して補助金を交付するんですが、その備品、どんな備品を購入したか、どんな消耗品を購入したか、そういうものをつけて申請していただきますので、その内容は把握をしております。 それからお買物商品券のようなものもやってきましたが、これもその商品券をお買いになった市民の皆さんが、どの店でどのぐらい使われたかということは、当然こちらはデータとして把握しております。 それから、そこに関わっていただいたお店や事業者の皆さんにも、これはアンケート調査をして効果は検証してまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうですね、なぜこれを取り上げたかというと、やはり税金で賄われたお金です。本当にそれが意にかなったところに使ってくれているのか、そんな市民からの心配の声もいただきました。いっとき、それこそ10万円もクーポンか現金か、そんなお話もありました。世論的には、やはり現金のほうが使い勝手がいいよねとなったかとは思うんですが、やはり目的があってのお金の使い道、公的資金投入、そういったところを考えると、やはりその経過も把握しておかないと、貴重な税金です、そこをぜひ今後ともよろしくお願いしたいと思います。 続きまして大きな3番、フィルムコミッションへのお考えについて移ります。 小平議員も非常に強い造詣をお持ちですので、申し添え、質問に移ります。 (1)映画やCM等、①過去の経緯はどうだったでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 過去の過去までというといろんなことがあるかと思いますが、最近のところで申しますと、昨年の10月から11月にかけては沢城湖周辺とその施設を利用して、映画「ラフラフダイ」の作成が行われ、また近年では、これは遠山郷で映画「いつくしみふかき」が撮影され、全国でこれは上映されたということだと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そのときの市の対応はいかがだったでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 昨年の沢城湖での映画撮影の際のことをちょっと例として申し上げます。 これは市民の皆さんが中心となった支援が行われましたが、市は施設借用に関する事務的な手続、それからエキストラ募集への協力、それから関係機関との調整や利用した施設の設備ですね、電気・水道等、これに関する相談をいただきまして、必要な支援を行ったということでございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 近年の作品制作には、答弁にもございましたように、市民のボランティアさんのお力添え、活動がとても厳しい制作過程に大きな力となり、制作者サイドから非常に感謝されています。ただ、それがいつまでも何度もボランティアとしてでは、物理的にも肉体的にも継続し続けることはいささか疑問に感じます。 そこで、お伺いします。 (2)フィルムコミッションは、地域の資源を生かす新たな産業として雇用の創出や都市と人材交流等が生まれ、必要と考えるがいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) このフィルムコミッションというのは、映画などで当地域が非常によいイメージで発信されること、それから撮影における宿泊や飲食など、そういった経済効果は期待できると思います。ですけれども、現実的には、このフィルムコミッションの業務自体が収益を得にくい構造になっていると、そういう産業分野だということが課題であると思っています。勝ち組がはっきりしてきている状況というふうだと思います。 この誘致から撮影まで多岐にわたるこの業務、これを多大な人的労力が必要となるということから、費用も含めてこの体制づくり、それから財源の確保など、そういうことがしっかりできないと、フィルムコミッションというのは魅力的ですけれども難しい面があるというふうに思っております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 確かに御答弁はごもっともな部分が非常に多くあります。 他市、他県の実例を見ますと、民間企業が大きく物心ともにお力添えをいただき、非常にスムーズな連携ができているエリアもありました。ただ、それを羨ましがっていても、これまた仕方ない話であります。 市民の力が非常に大きな当市の魅力です。そして、地元におけるメリットも、答弁にあったように数多くあります。映像が全国、世界に広まり知名度の向上が図れること、それに伴い観光客の増加、将来にわたり市の映像が資料として残されること、ロケの実施、ロケ隊の滞在による経済効果、またエキストラ募集などで市民参加による地域振興や飯田市外の人材交流により、常に飯田市では見ることのできないこと、出会うことのできないこと、いわゆる画面の向こうにいる芸能人であったり関係者との交流は、特に若い世代には大きな刺激になると思います。 そこで、お伺いいたします。 (3)南信州フィルムコミッションの設立がリニア新時代を迎えるに当たり必要と考えますが、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) リニア時代ということになりますと、このリニア開通による移動時間の短縮は、現在より状況変化、優位に働く可能性があるということは考えられると思います。そういうことも踏まえると、今後、先を見ながら地域の企業やNPOなど、民間の団体の皆さんから意見を聞きながら研究をしていきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ぜひその研究ですが、足並みをそろえ、ぜひ聞く耳を持っていただきたい。よろしくお願いいたします。 さて、②に移りますが、市長の公約にフィルムコミッションを官民協働で立ち上げるとあったかと思います。市長の思いはいかがでしょうか、お伺いします。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) フィルムコミッションにつきましては、今るるやり取りがあったようなメリットがあったり、あるいは課題もあったりということだと思いますけれども、やはりリニアの開通効果を生かすという意味で、移動時間が短縮されるということを生かしたこの地域の特徴である自然、あるいは人を活用した取組として、フィルムコミッションはぜひ取り組むべきテーマであろうということでマニフェストにも載っけているということであります。 今、コロナ禍で、なかなかそういった現場に出向いての撮影自体が非常に今低調な状況にありますので、議論をする環境としてはまだまだ厳しいところがありますが、昨年の「ラフラフダイ」の撮影に携わった方から、そのときに感じた課題や取組方法について話がしたいというようなことも伺っていますので、そういった方々の情報、あるいはネットワーク、こういったものをいただきながら、将来に向けて可能性について意見交換をする、そういったところから始めていきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ありがとうございます。既にヒアリングもされているということで、感謝申し上げます。 そこで、私からもう一点、提案という形になりますが、映画祭、よく地方都市にもあります◯◯映画祭、そんなようなものですが、フィルムコミッションもまだ現在ままならない状態かもしれませんが、いささか気が早いかもしれません。ただ、リニア時代はもうすぐそこです。今からその構想を得ることも必要かと思います。 今後、南信州フィルムコミッションの立ち上げのその延長線上に、南信州飯田映画祭(仮)も御一考いただけますように申し添えさせていただきます。 続きまして、大きな4番に移りたいと思います。 地域の安心・安全のため、国土強靱化への考えと取組についてであります。 国土強靱化の理念でもある地域の特性に応じた事業の重点化や施策の推進かと思いますが、そこでお伺いいたします。 (1)国が示す国土強靱化計画で飯田市が必要と考える構想は、どのようなものをお持ちでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 飯田市の国土強靱化地域計画でございますけれども、こちらにつきましては、国が示した国土強靱化計画並びに県が策定いたしました第2期長野県強靱化計画、こちらを踏まえて昨年の9月に策定したというものでございます。 そういったことから、市民の安全で安心のまちづくりに寄与するように、内容といたしまして10の重点化すべきリスクシナリオ、また7つの基本目標、こういったことにつながっています。これは全て達成できるように、関連する全ての部署を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ここで議長のお許しをいただき「飯田市防災ハンドブック」、こちらの紹介をさせていただきます。 こちらあるとおり、2020年に飯田市が全戸配布をした資料です。結構厚いものです。まだそれぞれの御家庭に多く手元にあろうかと思います。そこから引用させていただき、質問に入らせていただきます。 (2)2020年に発刊した「飯田市防災ハンドブック」に示されるハザードエリア、今回全部上げたらちょっと切りがないので、議論の俎上としまして、天竜川沿線の浸水想定区域について質問をさせていただきたいと思います。 当時2020年、そして全戸配布をしました「飯田市防災ハンドブック」に示された天竜川の洪水想定区域、いわゆる千年に一度発生の確率とは承知はしておりますが、近年の自然災害は、極端なことを言えば明日発生しても何らおかしくはございません。そうなんです。くしくも明日は3・11、未曽有の被害を残し、今なお多くの方が悲しみから抜け出すことができない東日本大震災がありました。あれから「もう」がよいのか、「まだ」がよいのか判断に悩むところですが、11年を迎えます。我々、同じ日本人として、東日本大震災をはじめ数多くの自然災害から何を学んだのでしょうか。そう考えれば、市が率先して作成した「飯田市防災ハンドブック」は秀逸です。 そこで、質問に移ります。 どのようにして、このいわゆるレッドゾーン、イエローゾーン、危険要因を排除するのか、お伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 危険要因の排除ということでございますけれども、天竜川につきましては、毎年堤防高が不足している場所など、こういった重要水防箇所を中心といたしまして、国や関係機関、また地域の皆さんと共に巡視活動を行ってきております。その中で様々な御要望もお聞きしているところでございますけれども、現時点におきましては堤防等の強化対策が重要と考えておるところでございます。 引き続き、河川管理者である国土交通省と協議をしてまいりたいというふうに考えております。 整備につきましては、河川管理者側で、順次工事等により行っていただいているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうですね。ただ、失礼ながら「飯田市防災ハンドブック」、こちらは作っておしまいではいけませんし、ソフト事業、いわゆる防災意識の向上は必須であります。ありますが、自治体の役目、それは理念、危険を唱えるばかりでは、その役目を果たしたとは言えません。飯田市ばかりで改善は厳しいことは分かります。だからこそ、今回、国・県と共に洪水想定を少しでも改善するためにハード整備を行っていく必要があると考えますが、市としてのお考えをお伺いいたします。 ②として、国・県との連携はいかがでしょうか。
    ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 国・県との連携という御質問でございますけれども、毎年、天竜川流域の自治体及び国・県、それから警察、消防等の関係者が一堂に会する水防連絡会が開催され、その席上において、各事業の進捗状況や市町村のソフト対策事業について情報共有を行っているところでございます。 また、飯田市単独でも事業調整会議を行っておりまして、国・県、市の担当同士の顔が見える関係を構築した上で、それぞれの事業が円滑に進むよう意思疎通を図っているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 現在の取組事例の紹介と今後の取組方針についてお伺いいたします。 ③として、行程はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 田中危機管理室長。 ◎危機管理室長(田中真君) 近年の市内における天竜川関連の事業を紹介させていただきます。 平成27年度から令和元年度に急流河川対策事業といたしまして、松尾清水地区の護岸基礎を深くする根固工が完成をしております。また、平成29年度から令和2年度にのり面対策事業といたしまして、鵞流峡の狭窄部の掘削が完了しております。また、平成27年度から令和2年度にかけて行ってまいりました下久堅知久平地区での護岸工事、こちらのほうも完了をしております。 飯田市といたしましては、引き続き市民の安全・安心な生活につながるよう、関係機関と相談しながら進めてまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうですね、昨年の夏も天竜川、少し見にお邪魔させていただきましたが、かなりたぷたぷの状態ですね。工事は終わったものの、なかなか厳しいものがあるのかなあと感じております。 さて、私の友人の話なんですが、県内を見ても南信州は、幹線道路も生活道路も、いわゆる河川も含め、何か見るからに不安がついてまいりますよねと、ぽつりと来飯者から言われました。私も返す言葉も若干見つからないそのつぶやきに、悲しいかな、同調するしかなかった部分があります。 もう一方で、リニューアル工事と絡め、当然これまで不便と危険が常に同居していた環境を改善していくんでしょうと、そんな投げかけもありました。だってそうだ、1,000万立米ぐらい優秀な資源が発生するのだから、これまた当然ですよねと、こんなお話もありました。市のグランドデザインと長期ビジョンを描ける大人ならば、当然のマネジメントからの発言かと思います。 ここで、改めてお伺いします。 (3)リニア中央新幹線の発生土についてお伺いします。どのぐらい発生するのか、いかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 細田リニア推進部長。 ◎リニア推進部長(細田仁君) リニア中央新幹線事業に伴います長野県内のトンネル工事から発生する土量についての御質問と思いますが、現在のところ約950万立米とお伺いしているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) どこに活用するか分かりますか。 ○議長(井坪隆君) 細田リニア推進部長。 ◎リニア推進部長(細田仁君) トンネル発生土につきましては、もちろんリニア本体の工事の関連に活用するのが前提なんでありますが、それ以外にも具体的に公共工事での活用、こういったものにも予定されているところでございます。 飯田市を振り返りました場合には、これまでの段階では、もう既に議会でも御報告申し上げましたが、丹保北条の代替地の整備に使わせていただいたり、あるいは昨今でありますと、龍江の産業用地の整備事業等に活用する予定でございます。以上でございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうなりますと、まだ活用できる発生土はあるかないか、量まではいいんですが、あるかないか答弁いただけますか。 ○議長(井坪隆君) 細田リニア推進部長。 ◎リニア推進部長(細田仁君) 発生土の活用が全て行き先が決まっているというわけではないというふうには認識しておりますけれども、当然ながら用意すべき場所については長野県とJR東海でもちまして、その行き先についていろいろ検討されておりますので、950万立米についてはどれほどというのはちょっと分かりませんけれども、全てが決まっているわけではないんですが、大分そういった活用の方策についても検討がされているというふうに認識しております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) きっとリニア事業で市も大きな予算を計上し、事業推進を予定しているそうですが、かけた事業費をいずれ数年、少なくとも数十年のうちには回収できる整備事業として、次世代に大きな負担を残さないためにも期待はしています。民間企業の発想から、お金の使い方は、当然設備投資をしたら、それをきちんと回収し、さらに事業拡大や新規ビジネスの開拓につなげます。政治の世界では、経済を向上するからこそ福祉向上につながります。それができなければ、いつまでも国・県頼みの市政運営にしかなりません。だから、当市もリニア事業を福祉の向上につなげることは、市民の福祉の向上はもちろんのこと、ここ数年、リニア工事で御迷惑をおかけしてしまう市民への生活向上、経済向上へとつながるかと思います。 そこで、お伺いします。 ③天竜川沿線の浸水想定区域や今後の公共工事に絡め、地域の防災への思い切った活用やストックはできませんでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 今、議員がおっしゃった市民の福祉向上のために発生土を活用する、そういったことであれば、これまで今、御答弁申し上げましたように、代替地への使用、それから工業団地への使用ということで考えているところであります。 大規模なものというのを今想定しているわけでありませんが、しっかり活用してまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうですね。 本日、トップバッターで勇気ある登壇をされた同会派の西森議員の冒頭での挨拶ございました。それぞれに地域限定にしがちな市政運営、その発言は、市長からも訂正の旨がありましたが、決してそう思っている市民は少なくないんです。ぜひその辺りも含めて、今後、幅広い目でこのリニア事業を全市民のもの、そして駅自体は長野県の長野県駅と、その意識を決して忘れることなくリニア事業を、そしてこの国土強靱化を絡め国・県との連携を保つ、そんな事業にし、成功を願うばかりです。 ○議長(井坪隆君) 以上で、新井信一郎君の一般質問を終わります。 以上をもちまして一般質問は終了いたしました。----------------------------------- △散会 ○議長(井坪隆君) 本日の日程につきましても以上で全て終了いたします。 コロナ禍ということで変則的な一般質問の進行に、市民の皆様、議員各位、執行機関共々御協力を賜りありがとうございました。 3月22日は午前10時から本会議を開きますので、定刻までに御参集くださるようお願いいたします。 本日はこれをもちまして散会といたします。お疲れさまでした。-----------------------------------     15時36分 散会 地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。  令和4年5月18日      飯田市議会議長  井坪 隆      署名議員     永井一英      署名議員     原 和世...